Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

アリー my Love

Ally Mcbeal

弁理士会のグローバル人材育成研修でのことですが、インターグループの外国人の先生から、「(弁理士のような)法律家は専門用語を正確に使う必要がある。」という話がありました。そのときに、「Ally Mcbeal」を見るとよいという話がでました。

2001年に、香港の法律事務所に短期留学したとき、TVで四六時中、Ally Mcbealの番組宣伝が流れていて、キャリスタ・フロックハートが全面に出ていましたので、このTV番組は強く記憶に残っています。

早速、TSUTAYAで、「アリー my Love」(語呂合わせのような日本語タイトルです。内容は上手く表現しているけど、今の時代、ちょっとどうかと思いますが。)のDVDを借りてきて見ました。

今年の2月は、時間があったので、First Seasonの6巻を見ました。「恋愛ドラマ+音楽+法廷ドラマ」という感じのTVドラマです。キャリスタ・フロックハートの話は、機関銃のようなスピードです。

キャリスタ・フロックハートを検索すると、なんと私と同い年(52歳!)で、ハリソン・フォードの奥さんということでした。へぇ~そうなのという感じでした。

 

http://mentalfloss.com/article/68226/15-quirky-facts-about-ally-mcbeal

大阪万博の関西弁

経産省が撤回

 大阪万博の報告書を関西弁にしたものが話題になっています。

www.nikkei.com

硬い文書では誰も読んでくれないので、関西弁を使ってより直接的に響く言葉で報告書を作成したようです。超訳ニーチェのようなノリで、難解な文書をわかりやすくというコンセプトだと思います。ただ、悪ノリがあったようで、待った  がかかりました。

日経新聞の記事を見る限り、問題になりそうな例もありますし、わかりやすいかなという例もありました。

 内容自体に、あまり目くじらを立てても仕方ないように思いますが、無理して役所が出す必要までする必要はなかったかと思います。広告代理店に乗せられてしまったのでしょうか。

さて、関西弁とはなんなんでしょうか?そんな方言はありません。同じ関西でも、大阪弁と京都弁と神戸弁はまったく違います。また、同じ大阪でも、泉州弁と河内弁と大阪市内の言葉は違います。イントネーションも違いますし、場合によっては単語も違います。これらを一括りにして、大阪弁ということ自体、無理があると思います。

大阪弁でも、大阪市内の、特に、船場などの地域の言葉は非常に洗練されており、上品です。このあたりの大阪弁が、代表的な大阪弁ではないでしょうか。桂米朝さんの大阪弁も綺麗でした。

しかし、最近のTVの芸人さんの大阪弁は、強調され過ぎていて、関西人にも必ずしも好評な訳ではありません。大阪弁は実は上品な言葉でもあるということを、是非、ご理解ください。

知財の海外移転による節税を防止

高収益で再課税

2017年3月10日の日経に、財務省が、海外への知財移転を活用した過度な節税策に対して、対策を検討するという話が出ていました。特許や商標を海外の子会社に移転するときには課税できますが、金額を過小評価した場合はそのままになることが多かったようです。今回は、海外移転後に大きな収入を上げた場合に、当該国ではなく日本から課税できるようにするようです。具体的には、5年後に見直すスキームを設け、20%以上の差額がある場合、再度課税できるようにする案のようです。米国やドイツに同様な制度があるとのことです。

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AppleGoogleが、タックスヘイブンを活用した所得税法人税)の節税対策をしており、アイルランドやオランダを活用するので「ダブルアイリッシュ・ダッチサンドイッチ」などと言わる方法をとっています。グループ会社からの知財権使用料を考えるときに、制度設計上、気になる話題です。

知財権を所有する財産管理会社を、タックスヘイブン国に作って、世界中の売り上げからロイヤルティを吸い上げてタックスヘイブン国にお金をプールしておき、資金が必要なときはタックスヘイブン国からの投資とするという形態です。各企業としては、実行税率をさげて経営の安定度を図ることが目的です。

一方、当該企業が活動している本国としては税収不足ということになり、今回のような対策が必要になります。OECDも、タックスヘイブンを使った節税対策の規制には賛成のようです。自国の課税権の強化は、多少保護主義的な制度のような気がしますが、当面のトレンドになりそうです。

しかし、日本企業で、AppleGoogleのような方法を採用している例はあまり聞きません。日本企業はグローバル企業ほど儲けていないからか、国際的なスキームを構築する国際税務や国際法務の能力がないのか、日本に税金を納めるべきという考え方があるのか、他社横並びが好きな国民なので同業他社がやっていないことには手を出さないのか、日本に対する愛着があるのか、理由は良くわかりません。

でも、グローバルで戦うなら、ある程度の節税策はとるべきなのだと思います。少し前のニュースで、トヨタが5年間も法人税を免れていたという話がありました。いろいろあって、そのような制度になっているのでしょうが、AppleGoogleの節税策の方が考え方としてはシンプルで理解できる気もします。

薬の輸入

不正な医薬品が大幅増

 2017年3月2日の日経新聞に、厚生労働省の委託を受けた米オレゴン州のネット監視会社「レジェットスクリプト」が、薬輸入の不正サイト対策で、2014年以降、約2500サイトの閉鎖に成功したという記事がありました。

日本の法令では、医薬品の個人輸入は可能ですが、実際には個人輸入代行会社が医薬品の個人輸入を手伝っており、その際に、不特定多数に対して医薬品の輸入を募る記載があると医療品医療機器法(旧薬事法)の68条にある、「未承認薬の広告禁止」に該当する恐れがあるとのことです。

サイト閉鎖の手法は、ドメインネームの登録会社(レジストラ)に閉鎖を要請し、ドメインネームを使えないようにするという手法です。一方、レジストラは、ドメイン閉鎖は慎重にならざると得ないと言っています。

www.legitscript.com

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税関の水際規制でも、医薬品の差止は沢山あるようです。日経の記事によると、年間700件~1000件あるとのことです。大半は錠剤やパッケージに不正にロゴマークを刻印した商標法違反事件とのことです。

確かに、薬やお酒の模倣品は、人命や健康被害に直結しますので、薬の模倣品は、許すことができません。

レジェットスクリプト社は、オンライン薬局の国際的な監視会社で、インターネットで認可されていない医薬品が違法販売されていないことを監視する団体のようです。

レジットスクリプト - Wikipedia

この団体は、本来なら国の機関がするようなことをしているようです。一方、ドメインネームの使用停止要求についてレジストラが慎重になるというのもわかります。

ちなみに、薬のサイトは確かにあやしい薬を売っているものがありますね。

2016年の税関の輸入差し止め

年間2.6万件の輸入差止(62万点)

2017年3月3日、財務省のホームページで、知的財産侵害物品の差止状況についてのニュースリリースがありました。

www.mof.go.jp

輸入差止件数は、10年連続で件数は2万件(5年連続で2.5万件)を超え、点数は62万点。引き続き高水準です。仕出国(地域)別では、中国から来る件数が7年連続で9割超で圧倒的です。10年前は韓国と中国が半々でしたので中国の一人勝ちです。

今年の特徴としては、インクカートリッジなどの特許侵害物品の輸入差止点数が大幅に増加して18万点となったようです。

下記のページに、事例があります。

www.mof.go.jp

以前は、バックや衣類や靴などの模倣品が多かったのが、最近は、インクカートリッジ、スマートフォンケース、医薬品等が、差止品目の上位を占めています。

2017年3月4日の朝日新聞によると、インクカートリッジが増えたのは、正規メーカーが税関に対し、偽物の特徴などを積極的に情報提供したことなどが影響したとのことです。

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年によって多少の凸凹はあるようですが、水際規制の件数は、この10年は横ばいのようです。

模倣品案件で公になるのは、裁判案件・警察差押案件・税関水際規制でしょう。裁判になるのは少数ですし、警察の案件も年間500件程度のようです。税関の水際規制のボリュームは非常に多いものです。

インクカートリッジや医薬品は、儲けが大きいので、案件が増えてきているのだと思います。医薬品や商標権侵害で止めているようですが、インクカートリッジは特許権侵害が多いようです。

特許での活用が、今年の一番の注目点であり、水際規制の一つの流れだと思います。

弁理士会の研修

継続研修履修状況の通知

日本弁理士会から、「継続研修履行状況の通知について」が送られてきました。これまでの2年で20.5単位取得済みで、あと3年間で49.5単位取得が必要とありました。今年になって参加した研修がカウントされていないので、まずまずの受講ペースです。

弁理士以外の方には興味がないかもしれませんが、少し前から弁理士会の研修が大きく変わっています。現在、弁理士の研修は単位制度になっており、5年で70単位取得が義務であり、単位不足にはペナルティがあります。リアルな講義もありますが、時間のない人などにe-learningが提供されています。

ここしばらく、企業のブランドコミュニケーション部門に在籍していましたので、土日に開催される倫理研修以外は講義に出席できず、e-learningを命綱にしてきました。この研修は特許業界との数少ないつながりでした

今回、特許事務所に転職したので、これから大手を振って講義に行くことができます。事務所は弁理士会館に近いので研修に歩いて行けて便利です。

弁理士試験には、昭和63年に合格したのですが、当時は新人研修に重きを置き、継続研修は法改正の情報共有程度だったように思います。

新人研修のことは今でも鮮明に覚えています。秋に弁理士試験に合格し、研修が始まり、翌年まで研修があったと思います。その年の大阪の合格者は8名だったのですが、名古屋の人が沢山合格しており、名古屋の人は時間や交通費の関係で、大阪で受講する人が多く、合計20名以上はいたと思います。大阪の弁理士・弁護士の先生が、面白く特許・商標・意匠の話をしてくれました。もちろんリアルな講義です。

東京での講義も2回ほどあり、私は学生でしたが、同じ大阪から参加の大手事務所勤務の参加者が新幹線のグリーン車に乗るので、奮発してグリーン車に乗った記憶があります。

侵害訴訟の実務、商標・意匠の実際の話、特許の明細書作成実習もあり機械系のクレームを書いた記憶もあります。確かちり取りの発明でした。受験期間中に、このレベルの教育が受けられれば、合格が早くなったのではと思った記憶があります。 

最近の弁理士会の研修では、先日参加した、「グローバル人材育成研修」が良かったと思います。インターグループの英語プレゼンの研修も良かったですし、研修会のあとに若い商標弁理士さん達と飲み会で最近の商標業界の生の声を聞けたのも良かったと思います。

行ってきました

春日大社

本日、上野の東京国立博物館で開催していた「春日大社 千年の至宝展」に行ってきました。私の実家が奈良の春日大社の社家町の高畑町にあり、初詣は奈良の春日大社に行きます。その春日大社には国宝殿というものがあるのですが、奈良には興福寺東大寺・新薬師寺国立博物館に有名な仏像が沢山あり、それに比べたら大したことはないと思って行ったことがありませんでした。

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よくみる鹿島立神影図のほか、江戸時代の春日権現絵巻、春日宮曼荼羅、奉納された武具(刀や鎧)、伎楽面や装束、神仏混淆時代の春日神の仏像などが、多数展示されていました。今まで何度がみた平成館の特別展に比べて入場者の年齢層が高いのも今回の特徴でした。

個人的に面白かったのは、藤原道長の自筆日記で息子の頼通が春日詣でするときの有名な歌が書かれているものや、春日大社に行きたいがなかなかいけないのでその替わりに描かれた春日宮曼荼羅厨子のタイプもありました)などです。

売店には、今回の展示会用と説明がありましたが、「シカスガ」など3つのゆるキャラグッズが準備されていました。

 

・館内で写真がとれた灯籠コーナー(春日大社は年2回の節分万灯籠・中元万灯籠が有名です)

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・上野公園のソメイヨシノはまだでしたが、公園の一角に寒緋桜(カンヒザクラ)が咲いていました。

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トリビアですが、今、私が住んでいる横浜市の戸塚には奈良の春日大社の分社の相州春日神社があり。今は無くなってしまった横浜ドリームランドが関係しています。開発会社が当時成功していた奈良ドリームランドにあやかるため、奈良から勧進してきたものです。神社の写真です。

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 ・奈良から連れてきた鹿もいます。広くないので、奈良の鹿に比べてちょっとかわいそうです。

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