Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

案内用図記号(ピクトグラム)

JIS規格が改正

2017年7月20日に、経産省が温泉マークなど話題になっていた図記号(ピクトグラム)について、最終的にJIS規格を改正したというリリースがありました。

www.meti.go.jp

2017年7月21日の日経によると、

  • コンビニエンスストア自動販売機など、新たに追加されたものが、15種類
  • 温泉マークや駐車場など、図柄が変更されたものが、7種類
  • 変更された7種類については、2019年7月中旬までのの移行期間(2年間)
  • 駐車場や手荷物の受取所などは、図記号に人などを加えてより分かりやすくした
  • 温泉マークは、現在のものと人を加えたデザインを選べる

とあります。

 

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最終のまとめですので、このJIS規格を確認すれば良さそうです。

 

JISの資料は、こちらから入手できます。

http://www.meti.go.jp/press/2017/07/.../20170720002-2.pdf

 

今回改正されていないものを含んめ、94ページの資料がありました。JISのピクトグラムは沢山あるようですね。

https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISNumberNameSearchList?toGnrJISStandardDetailList

 

今回、追加されたり、変更されたマークを見ていて思ったのは、マークが複雑化していることです。理由は、東京オリンピックパラリンピックを契機に訪日する外国人を対象に、一目で分かりやすくするために、人や車を追加しているためです。

 

考え方など、ISOのピクトグラムに倣っているようです。

 

ただ、ピクトグラムでは、視認性も大事ですが、今回は、外国人に分かしやすいことを中心に整理されているので、結果として、視認性は軽視減されています。

 

また、ここまで、複雑になると、ピクトグラム著作権との関係が出てきます。この点、Wikipediaによると、著作権はずっと議論があるようです。基本は、JISは国営なので、著作権フリーと言いたいようですが、中には、民間マークが出世してJISになるようなものもあり、そのとき、どうなるのかという議論です。答えはまだないようです。

 

そもそも論からいうと、ピクトグラムは視認性が大事ですので、複雑化することで意味が減じられます。外国人に分からないというのは、ISOなり国際的な規格に、当該ピクトグラムがなっていないからです。日本のピクトグラムをISOのに載せることができれば、一番良かったのだと思います。ピクトグラム世界では、ISOの他に、アメリカのAIGAという規格もあるようです。

 

時間をかけてよいと思いますが、世界のピクトグラムが、徐々に統合されると良いのですと思います。日本のものが絶対というわけではないのですし、世界の人々がどこの国でも間違わない、ユニバーサルなピクトグラムができれば、言語の壁を越えられる画期的なことだと思います。AI翻訳に期待するより、てっとり早いかもしれません。

 

仕事を始めたばかりのころ、当時のEIAJの商標委員会に行ったのですが、たぶんPhilipsだったと思うのですが、リサイクルマークのピクトグラムを商標出願し、それにオランダ製紙組合が商標登録異議申立をしているのをどうすべきか、という議論がありました。結論も忘れましたが、著作権や商標など、知財との関係整理も必要と思います。

 

なお、Wikipediaに、次の記載がありました。

日本工業規格 - Wikipedia 

2017年7月、日本の国内総生産約70%がサービス業になるなど産業構造が変化したことを踏まえ、サービスは『役務』と定義し規格化することとなった。それに合わせ法律を産業標準化法、規格名を『日本産業規格』とする予定。 

JISの名称は変わらないようです。外国商標の研修会で知りましたが、EUIPOの商標出願はサービスが相当多いようですので、これは世界の自然な流れですね。

シャープの北米TV

ハイセンスが拒否、そして新ブランド導入

2017年7月27日の毎日新聞のWeb版に、シャープが北米で、中国のハイセンスにライセンスしていたSHARPブランドのライセンス権を取り戻す交渉をハイセンスが拒否したという記事がありました。

headlines.yahoo.co.jp

ハイセンスの幹部へのインタービューのまとめです。要点は、

  • シャープは2015年に北米でのテレビ生産から撤退
  • ハイセンスに、米国向けなどのテレビを生産、販売することを20年末まで許可
  • しかし、鴻海傘下で、米国市場への再参入を目指している
  • 米国でのブランド使用権について、シャープが買い戻しを迫っている
  • ハイセンスに対しブランドの使用差し止めなどを求める訴訟を提起
  • ハイセンスとしては、もともとライセンスを提案したのはシャープ
  • 契約精神に欠けていると反論
  • シャープブランドの北米販売は拡大、素晴らしい効果を上げている
  • 今後もシャープブランドを推進
  • ハイセンスは正統的、合法的な利益を守っていく

一方、2017年7月25日の読売新聞には、北米で新ブランドを導入するという記事があります。

シャープ高級TV新ブランド…北米再参入へ : ニュース : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

記事の要点は、次のようなものです。

  • SHARPやAQUOSとは異なるブランドを新設する方向
  • 発売は2018年以降
  • 韓国勢に対抗するため60~80型の大型・高級タイプに絞る方向
  • 米市場に再参入するための使用契約の見直し交渉は難航
  • 鴻海は、米国で液晶パネルなどを生産する工場を新設
  • シャープが早期に再参入すれば、パネルの販売先を確保できる
  • シャープは、新たなブランドやロゴマークを商標登録する手続きを進める

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この2つのニュースからすると、使用権の買い戻し交渉は、なかなか進まず、新ブランド導入とせざるをえないようです。

契約期間が、2020年までとありますので、それを待てばよいのでしょうが、3年の期間待てないということでしょうか。

 

商標ライセンス契約には、契約終了後も、一定の期間は商標権者が使用できないという義務を課されることがあります。ライセンサーの視点で、今まで使っていたブランドについて、急に元のライセンサーが返ってくると、自分の商品(そもそもの自分のブランドなどで販売)が売れなくなるので、不使用の義務を課すのです。ライセンサーには、きつい条件ですが、どうしてもブランドライセンスをしないといけないという状況下では、ありえる条件です。

 

さて、新ブランドですが、これも大変ですね。SHARPなら一番良いですし、AQUOSなら将来まだなんとか将来SHARPにブリッジすることは可能ですが、全く新ブランドは一からですので、大変ですね。一時期、北米で、VIZIOというブランドのTVが一世風靡したことがあるので、全く無理ということはないですが。

 

シャープという会社の作ったTVは、信頼感は抜群だと思いますので、商号(社名)をどのように打ち出すかも、一つの方法ですね。

EPSONの新時計ブランド

TRUME(トゥルーム)

2017年7月20日の日経と朝日新聞で、セイコーエプソンの新しい時計のブランドの記事を見ました。www.nikkei.comwww.asahi.com

日経には、次の話がありました。

  • 同社初の独自ブランドのアナログ腕時計
  • 同社は、従来、セイコーウォッチ向けにOEM供給してきた
  • 新ブランドは、TRUME(トゥルーム)
  • 価格は、税別で24万円~28万円
  • セイコーウォッチには、事前に連絡しなかった
  • OEM)では、技術を出し切れないことへの不満があった
  • 新しい価値を提供したかった(社長談)
  • スマートウォッチの台頭など市場変化を捉え、アナログ時計に先端技術を加えて存在感を高める考え

朝日新聞は、今回の時計について、高度、気温、方角、消費カロリーなど測定する機能があり、高度のアナログ時計での表示方法を詳しく説明していました。

 

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新聞では、同社の展開している3つのブランドを載せた一面広告が出ていました。新ブランドのTRUMEの他に、ORIENT STARブランド、EPSONブランドのWristableGPSというスマートウォッチが出ていました。同社には、この他に、ORIENTブランドの時計もあります。

 

セイコーホールディングス(傘下にセイコーウォッチ)、セイコーインスツルSII、2004年に社名が変わっていました)、セイコーエプソンが、セイコーグループ中核3社というようですが、セイコーエプソンは、資本的にセイコーホールディングスの子会社ではないようです。創業家との関係など、複雑なようです。

 

価格帯は、セイコーのGRAND SEIKOより安く、SEIKOのアストロンなどの売れ筋ぐらいのようです。

 

オリエント時計は、2017年4月にセイコーエプソンに統合されているようですので、ORIENTなりORIENT STARなりで、今回の、「技術を詰め込んだアナログ式時計」を出す方法もありますし、EPSONブランドとしてサブブランドにTRUMEを使って、CASIOのOCEANUSのようにする方法もあります。

 

企業ブランドが大事と考えると、CASIOのOCEANUS方式になりますが、個別ブランドでいくなら、今回の方法もありです。特に、EPSONはプリンターのイメージが強いので、スマートウォッチは良いとしても、高級時計ではどうかという考えは分かります。

 

OEMでSEIKOのアストロンなども製造しており、ORIENTブランドもやっており、時計のプロの会社が、独自ブランドが良いと判断したのですから、その判断には間違いがないのだと思います。特に、時計は趣味性が高い商品で、価格帯もしっかり分けられますので、なんでもEPSONではないというのも理解できます。

 

電機機器メーカーが時計に参入したとしても、CASIOやAppleを除き、大体数年先には撤退していることが多いのですが、セイコーエプソンは時計に地盤がありますので、今回のの時計ブランドは、生き残るのだと思います。宣伝等もされると思いますが、人気商品(ヒット商品)が欲しいところですね。

 

ちなみに、商品分野もロゴも違いますが、カバンの「TUMI(トゥミ)」を思い出しました。ビジネスパーソンは、このタイプのネーミングが好まれるのでしょうか?

 

読みにくいので、読み方を覚えてもらうのが第一歩でしょうか。

GI制度(地理的表示保護制度)その2

米国食品の締め出し?

2017年7月23日の日経に、GIの記事がありました。日本と欧州連合EPA大枠合意に伴い、欧州210品目、日本39品目を保護することで大筋決着しています。

www.nikkei.com

問題の、米国食品の締め出しとは、GIを保護することで、米国が欧州に似た食品を日本に輸出できなくなる可能性ということです。その時は、少なくとも、パッケージ変更などの対応が必要になるようです。

2011年のEUと韓国のFTA自由貿易協定)の時には、米国の業者がギリシャに由来する「フェタチーズ」を韓国に輸出する際、パッケージの書き換えが必要になったようです。

記事には、米国がGIを容認していない理由として、①米国の農業は大量生産による効率性の高さが売りで、産地による違いがない特徴からGIを容認していない。(この理由は、そもそも米国にGI制度がない理由でしょうか?)、②欧州に移民が多い米国には、欧州の産地を商品名にした農産品や食品が少なくない(これは、バドワイザーvs.ブドヴァルや、パルメザンチーズの件ですね。)、とあります。

 

同じ紙面に、関連記事があり、カマンベールや、パルメザンという言葉がつかえないようにならないように、チーズ公正取引協議会が農水省に意見書を提出す方針とありました。 

www.nikkei.com

 

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確かに、いまさら、カマンベールチーズや、パルメザンチーズという言葉がつかえないと市場は混乱します。

落としどころとしては、カマンベールについては正式名称の「カマンベール・ド・ノルマンディス」は使わない、パルメザンについては「パルミジャーノ・レッジャーノ」は使わないというところでしょうか。これなら、問題なさそうです。

パルメザンは、パルミジャーノの英語読みのようですので、日本にも、米国を経由して、米国の反GIの考え方が相当入っていることになります。

 

子供のころは、シャンパンと言っていたを、大人になるころには、スパークリングワインと言い換えないといけないという件がありました。これもGIの一種ですよね。何か言葉狩りのような気もします。

 

商標に慣れているので、普通名称化してしまったら、たとえ商標権が残っていても空権になるので、普通名称化を防止しましょうと商標法や商標管理の本にありました。シャンパンなどを例にとると、GIの場合は、完全に普通名称化していたものでも、外交の力・政治の力で強制的に変更したことになり、強い主張だと思いました。

 

日本でも、神戸ビーフ夕張メロンは、その産地の名称であり、第三者が勝手に使ってはだめというのは認知されてきたように思います。しかし、海外のものまで気をつけないとすると、対象案件の公示やGI教育が必要になりそうです。

www.fmric.or.jp

GIサーポートデスクというWebサイトで、GIアドバイザーという仕事があることを知りましたが、この中に弁理士さんは、沖縄の方がお一人いるだけでした。商標調査や商標出願とは直接は関係ないですが、GIは、もっと弁理士が協力しても良い内容であるように思います。 

GI制度(地理的表示保護制度)

地域団体商標とGI制度

最近、地理的表示保護制度(GI制度)の記事を良く見かけるようになりました。2017年7月12日の朝日新聞には、日本とEUとのEPAの大枠合意を受け、地理的表示保護制度の対象品目のリストの発表を始めたとあります。digital.asahi.com

記事によると、EU側は、チーズの「カマンベール・ド・ノルマンディ」「ゴルゴンゾーラ」など計210品目、その中には「ボルドー」「アイリッシュウイスキー」のような酒が139品目含まる見通しということです。日本は、「神戸ビーフ」「夕張メロン」「日本酒」など計39品目とのことです。

利害関係者や専門家の意見を聞いた上で、当局が認めて、2019年EPAが発効後に、保護されるようです。

「パルメジャーノ・レッジャーノ」はイタリアのチーズですが、その英語名の「パルメザンチーズ」は、日本では粉チーズの名称として浸透しているので、今後も使用が認められる可能性があるとあります。

 

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地理的表示の保護は、特許、商標、商号、著作権といった他の知的財産権に比べて、あまりなじみがないのですが、伝統的に欧州では重視されてきているようです。

一方、アメリカやアメリカ大陸諸国では重視されていないようです。

Wilipediaには、「これは、バドワイザーブドヴァルの裁判に代表されるように、アメリカ大陸では欧州の地名に由来する商品が多く製造・販売されているためである。」という説明がありました。

地理的表示 - Wikipedia

 

商標制度と比べると理解しやすいと思います。商標は、どの国に登録制度がありますが、地理的表示の登録制度は、欧州中心です。ただ、日本は、2014年に「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律」(地理的表示法)を制定し、登録を始めたようです。

日本の法律では、地理的表示の登録をすると、違反に対しては、行政が取締にあたり、公表や罰金刑があり、一定の保護があるようです。登録料も一度納付すればよく、更新は不要なようです。ただし、民事上の救済はないようです。ここが、商標制度との最大の差でしょうか?

 

本来、国際的な保護は、原産地名称の保護及び国際登録に関するリスボン協定によるようですが、日本はリスボン協定に入っていません(リスボン協定は、国際事務局に登録をする制度のようです)。

そのため、日本の農林水産物、酒などを保護しようとすると、個別交渉になるようです。

最低限の保護は、不正競争防止法民法で可能と思いますので、2014年まで登録制度がなくてもなんとかなった分野なのだと思います。

 

気になるは、2005年に導入された、商標の「地域団体商標」の保護との関係ですが、ここは、重複している部分があるようです。保護を受けたい団体が、行政中心の保護を求めるか、商標権を取得して自ら権利行使に乗り出すかの判断が求められるようです。

また、地域団体商標の方が、対象品目が広く、農林水産物や酒だけではなく、「美濃焼」「玉造温泉」といったものも保護しているという差もあります。

 

商標制度に慣れている方には、農林水産省の「地理的表示Q&A」の説明が、わかりやすいように思います。

http://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/faq/pdf/doc17.pdf

 

少し難しいのですが、EUの駐日代表部の、EU MAGというサイトに詳しい説明がありました。

eumag.jp

 

冒頭のWikipediaにあった、バドワイザーの件からすると、この件でのアメリカとEUの溝は、なかなか深いですね。

日本としては、将来的には、農林水産品の輸出というのもありますが、品目数も少ないですし、欧州中心のGI制度に乗っかる必要性はあまりなかったのだと思います。ただ、欧州とのEPAを促進するためには、日本もGI制度を持ち、地理的表示の保護を開始するこが必要だったのだと思います。

Rakutenのスポンサーシップ

バルサとパートナー契約

2017年7月14日の日経と朝日新聞FCバルセロナ楽天のスポンサー契約の話が出ていました。関連で7月21日の日経に、FCバルセロナの副会長の取材記事もありました。

www.nikkei.com

www.nikkei.com

日経の記事の概要は、

  1. 楽天とスペインのFCバルセロナはパートナー契約開始イベントを開いた
  2. ブランドロゴを漢字からアルファベットに一新
  3. 国内事業の伸び悩み、拡大するアマゾンで存在感が薄れるなか、世界を意識した展開へ
  4. ユニフォームに「Rakuten」ロゴ。ネット通販などの販促に選手の起用
  5. 契約料は、4年で280億円
  6. 三木谷社長は、リブランディング(再構築)は賭けだ。うまくいくと思っているが、やりきるしかない
  7. プロ野球などで認知を得た「楽天」ロゴの変更
  8. 楽天は、10年以上まえから海外を意識。リンクシェア、バイバー、イーベイツを買収
  9. 2012年には社内公用語を英語に
  10. 国内の逆風が強まるなか、バルサという助っ人を得て未来に賭け

とあります。

 

追加情報としては、朝日新聞に、

  1. 楽天」の企業ロゴを、原則として英語表記に改める
  2. 対象は、企業ロゴや通販サイトの「楽天市場」ロゴ
  3. ただ、楽天銀行など一部は法律の制約などがあり漢字のまま残す

 

FCバルセロナの副会長の話には、次の情報があります。

  1. 楽天を含め、アジア企業とのスポンサー契約を増やす
  2. 2017年~2018年のシーズンは、楽天の他、中国、インドネシア、タイ、ベトナム、マレーシア企業など計16社と契約
  3. 2013年に初の海外拠点である香港事務所が機能

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バルサとの契約金額の高い安いという議論もありますが、三木谷社長がいうように、今回は、リブランディング(ブランドの再構築)の問題だと思います。

世界に出ていくには、英語表記ロゴである必要があり、漢字では無理があります。

海外は英語で、国内は漢字でと、割り切る方法もありますが、グローバル化を志向されるということで、このこと自体は、良いように思います。

 

以前、楽天の人に教えてもらったのが、バイバー(Viber)というサービスです。これは、日本のLINEのようなもので、欧州など一番だと聞きました。LINEのようなサービスは、地域地域で一番の会社が顧客の総どりをしてしまうもののようです。

 

日本のLINEユーザーが3億人、Viberが8億人とありましたので、相当なものです。欧州中心のサービスですので、欧州で人気のサッカーというのは、親和性が極めて高い戦略となります。

 

ポイントは、RakutenロゴをViberのサービスにどのように入れ込んでいくかです。日本など、Rakutenブランド(英語ロゴの認知獲得はあっという間だと思います)の強い地域では、RakutenとViberを組み合わせることが考えられます。認知の薄いViberをRakutenがエンドースするという方法です。

 

しかし、欧州では、ViberにRakutenをつける理由がありません。Viberは有名で、Rakutenはブランドが価値がないからです。認知の問題は、バルサとのスポンサーシップで対応したことになると思います。

 

企業ブランドを中心でいくのか、個別事業ブランドを中心でいくのかは、難しい問題で事業ごとに正解が違うと思いますが、Rakutenは企業ブランド重視に切り替えているのだと思います。

 

ポイントは、海外、例えば欧州で、どの事業でも良いのですが、Rakutenブランドの事業が成功するかです。

いろんな選択肢があるように思いますが、ViberをRakuten Viberとすることも、強引な方法ではありますが今回はありなように思います。 

パソナの東京駅ちかくの本社

牧場を開設

2017年7月10日の日経に、パソナが東京の本社ビル内に、観光牧場を開設したという記事がありました。

www.nikkei.com

パソナは、本社を7月3日に、東京駅日本橋口付近のビルに移転し、同ビルの13階に観光牧場「大手町牧場」を7月中旬に開設するということです。

敷地面積は、400平米で、牛、豚、馬など、観賞用の動物を飼育する予定だそうです。

カフェも併設され、「食育」体験プログラムも開設するようです。

 

もともと、2003年から農業分野の人材育成を手掛けており、2005年には農場を設けているとあります。

京都に牧場を所有するとあります。

 

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日本知的財産協会の入っている朝日生命ビルに行くときに、パソナのビルがあるなとは思っていました。

最近、知り合いがパソナ関係で働いていることもあり、ちょっと関心をもってビルを見ていたのですが、ここで観光牧場をするとは思いませんでした。

観光農場や、銀座ミツバチならありうると思いますが、都心で牧場は想定外です。

 

こどものころを思いだすと、大阪市内の外れの町だったので、その町の外れに、乳牛を育てている牧舎や、鶏舎がありました。極たまに、そのにおいがしたことを思い出しました。

 

しかし、これは、ブランド戦略からすと、ありうる戦略です。本社に、エンターテイメント性を持たせて、集客力を上げることは、良くあります。

有名なところでは、コカ・コーラは、アトランタの本社に、World of coca-calaというアトラクションを持っています。

https://www.worldofcoca-cola.com/

また、BMWミュンヘンの本社には、巨大なショウルームがあり、そこで愛車を受けとることができます(ここは一度見学に行きました)。幕張メッセぐらいの施設です。

www.muenchen.de

日本でも、規模は小さくなりますが、横浜駅近く便利なところに日産本社があり、ショウルームが併設されています。

 

各社とも、本社の機能として、ビジネス上の機能を追い求めるだけではなく、積極的にエンターテイメントを提供して、ブランドイメージを構築しようとしています。

 ただし、各社とも本業のPR活動がメインですので、パソナの取り組みは、驚きがあります。

パソナは人材の会社ですので、例えば、就活生に東京駅という地の利を生かして、面接までの時間を過ごせる場所を提供するなどであれば、良くあるPR活動にとどまります。

 

今回の牧場は、パソナにとっては、どうしても育てたい事業なのかもしれませんが、日経の記事だけでは、まだ、そのストーリーが一般に広く伝わるところまでは行っていないと思います。これから、徐々に、「大手町牧場」にTVの取材が入り、これから、広報が積極的にその意味や狙いなどを、マスコミに説明するタイミングなのかもしれせん。

 

つながりにくい話題ですが、驚きのある話題ですので、うまくPRできれば、農業なり畜産なりに、パソナがどれだけ本気かを示すことが可能だと思います。