がん免疫治療薬
3月4日の朝日新聞に、小野薬品工業の「がん免疫治療薬」である「オプジーボ」について、従来の「皮膚がん、肺がん、腎細胞がん、血液がんのホジキンリンパ腫(いづれも一部)」に続き、今回さらに「頭頸部がんの一部」の治療にも使うことが承認され、保険適用が認めらるという記事がありました。
この薬は、免疫の働きを利用した新しい仕組みの薬ということで、色々な種類のがんに効果があるようです。同社は、さらに「胃がん」の承認申請もしているようです。
コメント
従来の薬とオプジーボでは全く仕組みが違うため、一つの薬が複数のがんに対応するので、ニュースになるのだと思います。
この記事で思い出したのですが、電機製品の商標出願、特にハウスマーク(コーポレートブランド)の商標出願では、毎年、企業から新製品がどんどん出てきますので、外国商標出願は、商品の入れ替わりに応じて、同じPanasonicの商標ですが、商品を追加するための出願を、毎年していたことを思い出しました。
基本となる、テレビや冷蔵庫、エアコンは変わりませんが、電子部品やサービスは、どんどん新しいものが出てきますので、対応ていかないといけません。類似商品の商標権はあるので、使えないことはないのですが、その商品ズバリを指定商品でもっていないと模倣品対策で不便だったり、契約の登録(中国などでは契約の登録が必要)ができなかったりするのです。
この点、薬剤は、指定商品の記載はどうなっているのでしょうか。オプジーボでは、あくまでもがんの薬であり、「がん免疫治療薬」としておけば良いのだと思いますが、薬効が追加されるごとに商品記載を追加することが必要なら、大変ですね。
一般に、薬剤は、商標の類似は厳しく判断されると言います。病院や薬局で、薬の名前を間違ええると大変なことになるからと説明されていました。商品記載の実務も、広めの記載が多いように思いますので、電機メーカーのような細かい実務はないのでしょう。
今はどうか分かりませんが、自動車の部品は1万点以上あるので、自動車メーカーでは個別指定は諦めて、指定商品は automobile and thier partsとしているだけと聞いたことがあります。
特許の話
2017年1月21日の日経夕刊で、オプジーボ特許訴訟の和解の話が出ています。小野薬品と米ブリストル・マイヤーズスクイブが、米メルクを訴えて、メルクが6億2500万ドルを支払うという和解のようです。この薬、とにかくすごいですね。