Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

色の商標(新しい商標)

色彩のみの商標が登録に

2017年3月1日付で、経済産業省のホームページに、新しい商標の中で一つだけ登録査定がなかった「色の商標」が登録になる旨の発表がありました。 引用します。

特許庁は、色彩のみからなる商標について、(2月28日付けで)初めて2件の登録を認める旨の判断をしました(別紙参照)。なお、これらの登録を認めた商標については、出願人から登録料が納められた後、商標登録されることになります。

新しいタイプの商標は、言語以外の多様なブランド発信手段として、企業のブランド戦略に大きな役割を果たすことが期待されます。特許庁は、引き続き、新しいタイプの商標出願についても適切な審査に努め、企業のブランド戦略構築を支援してまいります。 

www.meti.go.jp

www.nikkei.com

コメント

今回のニュースは、2015年4月から出願が認められた「新しい商標」である「音の商標、動き商標、ホログラム商標、位置商標、色の商標」のうち、一つだけ登録が遅れていた、「色の商標」(色彩のみからなる商標)について、登録査定が出たというニュースです。

「色の商標」が認められたのは、セブンイレブンの看板とトンボのMONO消しゴムです。しかし、今回の2件は、単色ではありません。単色の色の商標とは、例えば、ティファニーブルーのような一色のことです。次は、単色で商標登録が認めらるかが焦点になります。

 日本での「新しい商標」の出願意欲は、非常に高いものがあります。2015年4月から2016年1月31日までの1年弱に出願された色の商標は459件ですが、数十年にもわたってアメリカで出願された色の商標は860件という数字がありました。日本の出願件数は最近は中国に大きく負けていますが、産業財産権が大好きな日本人の面目躍如です。

「新しい商標」としては、将来的には、「においの商標、触覚の商標、味覚の商標」というものもありえます。これらは、今は、まだ要望がすくないというか、時期尚早というか、日本では採用されていません。(なお、「新しい商標」のうち、「立体商標」だけは、1996年から先行して採用されています。)