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Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

「や台ずし」と「磯丸すし」

トレードドレス事件 訴訟の意図は?

2017年3月16日の朝日新聞デジタルの記事で、すし屋さんのトレードドレス事件を見ました。名古屋の「や台ずし」を展開する会社が、東京の「磯丸すし」を展開する会社を、外観の変更と約471万円の損害賠償を求めて名古屋地裁に訴えたというものです。

「や台ずし」の運営会社は名古屋の会社で、「や台ずし」は本格職人握りずし居酒屋という業態で店舗を幅広い地域で出しているようです。

「磯丸すし」は「磯丸水産」という人気の海鮮居酒屋の運営会社が、最近はじめた新業態で横浜に第一号店があるようです。

www.asahi.com

 

コメント

店舗名称(商標)は全く違いますし、店舗の外観が立体商標が商標権になるのはハードルが高いで、不正競争防止法がメインになる事件だと思います。

パッと見てですが、通常すし屋の店内にあるお品書きが店外にあるところと、店舗名を記載した看板の配置のレイアウトが外観上近いところでしょうか。

最近あった、トレードドレスの事件としては、コメダ珈琲と和歌山の喫茶店に店舗外観の使用差止めを求めた仮処分が、東京地裁で認められたケースがありました。

www.asahi.com

本件は法律上の論点としてはコメダ珈琲のケースは近いのですが、法務戦略として、パッと思いついた事件は、「鳥貴族」と「鳥二郎」の事件でした。訴訟を上手に使っていると思います。

www.sankei.com

この件は、あまりニュースになっていませんが、昨年にすでに和解しているようです。和解の内容は不明ですが、結局、鳥二郎の商標権は維持されています。もともと、商標権侵害や不正競争防止法の事件としては無理筋の話と思っていました。

しかし、実質上の勝者は、どうやら商標異議申立では負けた鳥貴族のようです。裁判をすることで、マスコミが鳥貴族と鳥二郎の違いを説明してくれましたし、鳥二郎に模倣業者のイメージを与えることができたためです。ビジネス上は鳥貴族の勝ちであり、上手いやり方だと思います。

本件の結論自体はこれからですが、今後、商標の周辺で不正競争防止法を活用して、このタイプの、速攻攻撃のような訴訟の活用が増加するように思います。