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Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

外国商標 指定商品・役務の考え方(3)

45分類、全ての商品分類への出願

前の会社は、実際に使用している商品・サービスの具体記載にこだわった運用でした。一方、総合電機のA社や光学機械のB社のように、登録制度のある国すべてにおいて、全商品・役務の分類で権利取得すること目指している会社もあると聞きます。

ハウスマークが、第三者に権利取得されてしまうような商標事件が起こると、その国では、当該商品の事業ができなくなり、大きな問題になりますので、安全のために全世界・全分類で商標権を取ろうということだと思います。

もし、権利を取られてしまったりすると、取り戻すためには、無効審判や無効訴訟をしていく必要があり法務のコストも労力もかかりますので、権利取得のコストと無効にする法務コストを比較して、法務コストが安ければ、権利取得しておく方が良いという判断だと思います。

前の会社のように、どこかの国で実際に事業をしている商品・役務に拘るなら、条件が整えば他の国で展開出来る商品や役務ばかりです。使用意思はあると言っても良い状態です。また、実際の事業がありますので、日本語や英語でカタログやホームページのようなものもありますので、指定商品・役務の記載や説明も可能です。

しかし、全分類となると、いくらA社やB社のような大企業でも、実際は事業をやっていない商品・役務が出てきます。そうなると、具体的な商品・役務を記載すること自体が難しくなり、特許庁の類似商品・役務審査基準とか、国際分類のアルファベティカル・リストを見ながら、想像を働かせて商品・役務を選ぶということになります。(そもそも、商標登録時や更新時に、使用証拠や使用宣誓書の提出が必要な国では、法的に、全分類は無理ですので、全分類というのは、アメリカやフィリピンのような厳格な使用主義国を除くという制限があります。)

A社やB社は、実際に事業をやっている商品・役務と、事業をしていないけれども可能性として考えた商品・役務を分けて管理されていると思われます。

結局は、商標権を取得する考え方・ポリシーの問題となります。昔の3Mが使用主義の考え方で、A社やB社は登録主義の考え方です。以前の会社は、使用主義に憧れながら、管理実務を考慮した、中間的な運用なのだと思います。