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Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

商標の普通名称化の防止(その2)

通名称化の防止活動は「低調」?

 

商標が普通名称化するという状態は、画期的な新製品(まったく新しいカテゴリー)の商品を売っているということですので、企業にとっては非常に良いことです。営業やマーケティングの専門家などは、固有名詞、代名詞となるような商標が一番良い商標と云いますが、その意味は、画期的な商品という意味と同じです。

 

第二次世界大戦後、日本生産性本部主催で、ミッションが組まれ、アメリカに商標管理を学びに行きました。団長は武田薬品の当時の武田長兵衛社長で、成果として「商標管理」(日本生産性本部)という本になっています。この本などで、普通名称化の防止は日本でも一般的なったのではないかと思います。®表示なども紹介されました。入社時に、商標の上司から、読めと言われた本の一つです(歴史の古い会社知財部や特許事務所には置いてあると思います。ちなみに、上司からは木村三朗先生の「特許管理」誌の外国商標の論文も読めと言われました。外国商標には基本書というものがなく、これしかないと説明を受けました。最近は各国別に色々な本が出版されており便利ですね。)。

 

日本でも普通名称化の可能性がある商標は、沢山あります。例えば、「味の素」(うまみ調味料;もう化学調味料とは云わないようです)、「セロテープ」(セロハンテープ、ニチバンの商標)などです。

会社に入ったころには、特許の明細書に、普通名称化しそうな商標を記載することは避けるよう云われており、技術者向けの会社の特許研修のテキストには、普通名称と紛らわしい商標一覧表がついており、明細書作成時に気を付けるように指導がありました。

また、商標部門には、NHKから電話が良く架かってきて、これは御社の商標ですか?という確認が良くありました。

しかし、ある時期からその電話がなくなりました。世の中一般に普通名称化に対してあまり気を使わなくなったように思います。

その理由ですが、①TM表示や®表示、カタログでの商標の注記などが日本でも一般的になり、商標管理が徹底されてきたため、②Wikipedia特許庁のサイトで商標かどうかが簡単にわかるようになったため、③日本では画期的な新製品が出なくなったため、④他者の商標を尊重する気風が低下してきている、など理由が考えられますが、

根底には、営業、マーケティングの専門家がいうように、固有名詞、代名詞となる商標が一番良い商標という理解が広がっているためではないかと思います。

 

通名称化の問題は、法律的・知財的な意見と、営業・マーケティングの意見が、対立する面白い論点です。両方の主張に、十分理由がありますので、企業における適用をどうするか決めないといけません。法務・知財部門の意見だけでも、営業・マーケティング部門の意見だけでもだめで、ブランドマネジメント部門の調整が必要な部分です。