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Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

外国商標を特許事務所に依頼する意味(3)

米国出願強化とマドプロ活用

ちょっと、トリビアのような話ですが、特許と全く異なり、企業では、ハウスマークを除いて、アメリカへの商標出願が積極的ではないと感じています。

理由は、いろいろあります。

  1. アメリカにコモンローの権利があり、これで十分であるので、調査だけやって、出願しなくて良いという理解が広範囲に流布しているとか(使用意思に基づく出願とか、マドリッドプロトコルの出願とかの理解が日本人全体に広がっていません。海外営業担当者のレベルは、30年前の古い知識で止まっています。)、
  2. 付着使用している使用証拠がないと権利にならないからとか(これも実際はWebページやカタログが使えるときが案外多いことがほとんど知られていません。)、
  3. 昔は委任状のサインが代表取締役しかだめで、そのサインをもらうのが大変だったからとか(今は、代表取締役から知財部長等への委任が多いと思いますし、そもそもアメリカも電子出願になっています。)、
  4. 米国の弁護士が商標や模倣品対策の仕事を好む(したがる)からなどです。

しかし、ここは、折角のマドプロの利便性を最大限に活用して、アメリカ出願を増やすように努力すべきではないかと思います。マドプロのアメリカは、本国出願・登録ベースになりますので、本国登録証の提出や、包含証明など、面倒な作業があり、たまにしかやらない企業でやると、費用対効果がマイナスになると思います。

企業の知財部と特許事務所の双方に勤務した人間だから言えるのかもしれませんが、企業はネーミングの発掘とか、予算確保とか、方針決定とか、やるべきことがあり、アウトソーシングできるところは、特許事務所に任せた方が良いと思います。

この意味でも、外国商標の得意な特許事務所に有力です。

 

ちょっと解説/Dual base

最近、関与したアメリカのマドプロの出願は、だいたいDual Baseです。Dualは、本国出願ベースと使用意思に基く出願(intent to use)の双方の主張を含むものです。

原理的には、本国「出願」ベースでも、そのうちに、本国が「登録」になるので、ベースが、本国登録ベースに変化するというものです。そういう意味で、アメリカのマドプロは、実は本国登録(テルケルマーク)の考え方が基礎となっています。

デュアルですので、「使用意思に基づく主張」もしておくことで、日本の出願が登録にならなくても、意味がある出願となるメリットがあります。

また、マドプロで本国登録ベースのときは、登録後5年~6年まで、使用証拠の提出が不要というメリットがあります。

ただし、日本の登録証を出さないといけないのと、包含証明をしないといけないことが多いので、結構、面倒ではあります。

この制度は、海外営業の人達に是非、知って欲しいと思いました。