Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

Kaneboのブランド

欧州でKANEBOブランドを投入

2017年5月9日の日経に、カネボウ化粧品の記事がありました。「KANEBO」ブランドを欧州とロシアで投入とありました。

www.nikkei.com

新しいKANEBOブランドは、スキンケアを中心とした商品で、すでに、昨年2016年から、国内でも投入されていたようです。

慣れ親しんだ、企業ブランド(ハウスマーク)としての「Kanebo」は、Cap & Lowですが、この新ブランドはAll Capsのようです。従来の「Kanebo」は使っていないかというと、そうではなく、商品ブランドと同一面上に小さく保証ブランドとして、まだ、使われているです。

分からなくはないですが、複雑なブランド体系です。

www.kanebo-global.com

www.nikkei.com

 

コメント

2006年に、化粧品事業は花王の傘下に入り、Kaneboのブランドは、花王側に引き継がれ、他の事業は、「Kracie」ブランドとしてやっていることまでは理解していました。

www.kracie.co.jp

 

Kaneboというと、「for beautiful human life」という企業スローガンが思い起こされます。いまは、Kaneboロゴの下に「FEEL YOUR BEAUTY」とありました。有名だった以前のスローガンとよく似たスローガンだと思いました。

 

Kaneboのブランド力は強かったので、花王もブランド活用を考えて、ブランド・商標権にこだわったのでしょうが、白斑症問題とかもあり、良い評価は少なかったように思います。しかし、Kaneboブランドは、音の響きも良く、良いブランドであることは確かです。

新しい方のKANEBOブランドは、中価格帯のちょっと上の価格帯の商品ということで、日本企業が本来一番得意とするところなのでしょうか。

 

電機の感覚では、企業ブランド(ハウスマーク)と、事業ブランドは、パキッと区別して、Kaneboブランドを企業ブランドとしたら、KANABOブランドを事業ブランドとして立ち上げるという発想はありません。

このあたり、食品や化粧品ならありうるのでしょうね。

企業ブランドがアルファベトの「AJINOMOTO」で事業ブランドが漢字の「味の素」というもの、あるいは、企業ブランドが「Coca-Cola」で事業ブランドが「Coca-Cola」「Coca-Cola ZERO」「Fanta」「Sprite」etc.というのも同じ系統かもしれません。

ただ、「味の素」や「Coca-Cola」は、祖業の商品というか、圧倒的に強い商品があり、その商品名が企業ブランドに成長したということで、皆理解しています。

Kanaboは、もともとが、多くの事業ブランドや商品ブランドを傘下に抱える、企業ブランドですので、その一つとして、KANEBOがあるというのは、本当に理解してもらえるものなのでしょうか?