Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

平昌(ピョンチャン)五輪マスコット

虎と熊のキャラクター

2017年6月3日の朝日新聞夕刊に、2018年に韓国の平昌(ピョンチャン)で開かれる冬季五輪のキャラクターの話が出ていました。

www.asahi.com

当初は、大会組織委員会は公募で決めようとしたが、ふさわしい作品がなく、あらためてデザイン会社と専門家チームが作製したというものです。

キャラクターは、調査で人気が高かった虎と熊を題材にし、名前は、白虎は「スホラン」、ツキノワグマは「バンダビ」というようです。

組織委員会でマスコットを担当する広報局長も、全く新しいストーリーのあるキャラクターをつくるには専門家の高度な力が必要だとし、ネガティブな意見はなく、好感をもたれているという話が紹介されていました。

 

コメント

●キャラクターを、公募で作ることの難しさがわかる話です。

オリンピックで、全世界に注目されますので、ある程度の質を担保しないといけないですが、そうすると公募では難しかったということだと思います。

例えば、ディズニーのキャラクターは、アニメ映画のストーリーがあり、そこに専門家がキャラクターデザインをして、ハイレベルのキャラクターができています。

キャラクターの作製は、一人のデザイナーでは無理で、公募で行うのは、もともと無理があったのだと思います。

 

●一方、6月7日に発表された、大阪万博招致のシンボルマークなどは、まだ、公募でも可能なようです。こちらも世界観などもあるでしょうが、ストーリー展開などはあまりなく、一人でも可能ということだと解釈しました。

 

●公募して、一般人を巻き込んで投票してもらい、シンボルマークやキャラクターを盛り上げたいという事務局側の思いは良くわかりますが、チームですべきものと、個人でも可能なものは、区別が必要と思いました。

 

●韓国なので虎は分かるのですが、なぜ、熊なのでしょうか?確か以前のソウル五輪のキャラクター虎でした。熊というとモスクワ五輪の子熊のミーシャを思い出します。韓国がツキノワグマで有名だという話は聞いたことがなかったので、疑問に思いました。

虎にすると、前と同じになってしまうので、変化が必要だったということでしょうか。

 

●ちなにみ、キャラクター自体は、著作物として著作権の保護の対象であり、商標法の保護対象ではありません。

また、キャラクターの名称も、著作物であるキャラクターの名称にすぎません。基本は自由な世界です。

ライセンスビジネス等しようとすると商標権があると便利ではありますが、期間限定でもありますし、世界が味方でもありますので、キャラクター名称に商標権取得までは不要と思います。