Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

タイの法改正情報を調べる

Web情報を比べてみた

12年ぶりに、商標の世界に復帰して、忘れていることも多く、変わっていることも多いので、市販の本などを手掛かりに、外国商標制度の理解をしています。

何冊か、本も買いましたが、野田薫央さん他の外国商標入門など、まとめ方がわかりやすいと思います。

各国法の内容を知るには、もっと突っ込んだものが必要なのですが、ざっと一覧的にみるのには適していると思います。 

見ればわかる!外国商標出願入門―主要国での商標出願と国際登録出願の実務

見ればわかる!外国商標出願入門―主要国での商標出願と国際登録出願の実務

 

 この本をベースにしながら、他の情報も入れて、自分なりの一覧表を作成していたのですが、一つ問題点がありました。

この本の最新版の出版が2014年で、3年経っていますので、法改正があり、そこは何かで補う必要がありました。

 

例えば、タイでは、2016年の法改正で、一つの出願に、多くの分類を記載できる「多区分制度」になっているようですが、そのあたりの情報はありませんでした。

 

何かないかと Webで検索しました。「タイ 商標法改正」「タイ 商標法 改正」で検索したら、いろいろ出てきました。上から順番に見ていくと、一番上の深見特許のまとめが一番良くできているように思いました。そのほか、NGBや、ユアサハラ、矢野公子先生、西村雅子先生の事務所などとなりました。文責を明示しているところも多いと思いました。

 

別の国はと思い、インドネシアで検索すると、今度は、違う事務所が出てきます。NGB、創英、西村先生の事務所といたところです。NGBは、さすがに企業であり、しっかりしていると思いました。西村先生のところもよくやっておられるようです。

 

項目だけを並べているところや、突っ込んだ解説のあるところなど、各社・各事務所で個性があります。

検索エンジンは、どのようなアルゴリズムで表示順を決めているのか分かりませんが、上位に出てくるものは、比較すると良くまとまっていると思いました。

法改正情報でない、外国の法律の翻訳などは、特許庁など役所の情報も充実しているようです。

 

以前は、外国出願をする特許事務所は、自分の顧客だけに、ニュースレーターを出していましたが、今は、時代が変わったのでしようか、各社・各事務所とも、オープンです。インターネットの時代ですので、当然といえば当然ですが。

 

他にも、日本商標協会や、日本知的財産協会のWeb Siteにも、情報があるのですが、いかんせん、ID・PW管理されており、検索エンジンに引っかかりません。

以前、知財協会の商標委員会の業務で、このような外国商標制度のとりまとめを1年間担当したのですが、そのとき、オープンにしない理由を、もし間違った情報を出してしまうと責任問題になるからという話でした。

 

フェイクニュースもある時代ですので、情報の正誤の判断は自己責任という意識も広がっているので、最近は、そこまで、気にする必要はないと思います。できれば、一般に公開して欲しいと思います。