Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

英語の機械翻訳

統計翻訳からニューラル翻訳に

2017年7月8日の朝日新聞についてくる「be」に、面白いまとめ記事がありました。昨年の秋から機械翻訳の技術に世代交代があったという話です。ニューラルネットワークというAI技術だそうです。

digital.asahi.com

記事によると、

  • 昨年秋に機械翻訳に世代交代があった
  • 従来の統計翻訳という方式から、ニューラル翻訳という方式に
  • 統計翻訳は、対訳データを統計処理して、どんな単語や言い回しで翻訳されたか確率を調べて、翻訳を組み立てる。文章を途中で区切って翻訳する
  • ニューラル翻訳は、人間の脳の神経回路をモデルにしたもの。ニューラルネットワーク型のAI技術。大量のデータを読み込むことで、AI自ら翻訳のコツを身につける。全体の文脈をみて翻訳する
  • 翻訳制度は、統計翻訳よりも、ニューラル方式の方が、2割~4割良好。翻訳がこなれている。つなげたときに、ぎこちない感じがない。
  • ただし、ニューラル方式は、重要単語が抜け落ちるクセがある。

コメント

英語学校に行ったり、個人授業を受けたり、コツコツ英語の勉強は続けているのですが、仕事で英語を日常的に使うのは、15年ぶりです。ブランドマネジメントにいたときは、まわりに英語のできる人(MBAホルダーも多かった)が複数いたので、役割分担ということはないのですが、どうしても海外関係の得意な人に、英語の仕事が集中し、私は自分が得意な、会議運営や社内決裁などを担当していました。

 

特許事務所の外国商標担当となり、書面のコレポンではありますが、翻訳に近い仕事になり、どうにかこうにかやっているところです。

仕事では、自分で書いた英語を、パートナーの先生にチェックいただいている(これは大変ありがたいことと思っています)のですが、あまりにひどいものは持っていけないと思い、自分の書いた英語がどのように日本語になるか、自動翻訳でチェックしてみることがあります。

そのとき、英→日ですので、単数複数や三単現の「s」など細かいことまでは分かりませんが、時制や意味の取りにくい文章のチェックしてくれるように思います。

 

まだまだ、人間の翻訳には及びませんが、人間のプロより凄いと思うのは、スピードです。外国商標の中間処理などですので、A4で1枚程度しかないですが、1秒かかっていないと思います。これは、人間には無理です。

 

特許は、翻訳の世界でも特殊で、法律や技術の理解や表現が必要で、おもてなし英会話とは違うので、簡単に自動翻訳システムに代替されることはないと思いますが、それでも、自動翻訳の技術は何か使えそうな気がします。試してみると、以外なところで、面白い使い方があるように思います。

 

将棋のAIで、過去の対戦を記憶してそれに合った差し手を考えるのだけではなく、AI同士で新たな対戦をして学習をさせているということで、プロが対局を見ても理解できない妙手を考え始めていると聞いたことがあります。

翻訳の場合、人間が理解できないと意味がありませんが。

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