Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

壇蜜さん

宮城県の観光PR映像

2017年7月21日の日経夕刊で、壇蜜さん出演の宮城県の観光動画があることと、それが問題になっていることを知りました。 

記事の内容は、大略、次のようなものです。

  • 性的表現と受け止められかねないシーンもあり、物議を醸している
  • 女性が性の対象として表現されている部分が多いとして、同県議会の女性議員7人が県に配信中止を申し入れ
  • 動画は県やJR東日本が製作
  • 副知事は、良い反応もあり、配信は続ける

まずは、どんな動画か見てました。 


壇蜜主演 【涼・宮城の夏】仙台・宮城観光PR動画

タイトルは、「涼・宮城の夏」となっています。 そして、涼・宮城(りょうぐうじょう)と、竜宮城(りゅうぐうじょう)の言葉をかけているようです。

 

内容は、浦島太郎伝説の乙姫様のようなものに壇蜜さんがなり、亀や玉手箱も出てきます。 全体にゆったりとした映像です。

数回出てくる、壇蜜さんの唇のアップ映像が問題になっているのだと思います。

 

コメント

昔は、地方公共団体の宣伝は、今より、当たり障りのないものが多く、固い内容が多かったように思います。最近は、地方公共団体も、地域の独自性をPRすることに懸命になり、面白い内容が増えてきています。

それ自体は良いことなのですが、地方公共団体が制作するポスターや、映像が、ときどき、今回のような問題になることがあります。

 

伊勢志摩サミットのときに話題になった、三重県志摩市の「碧志摩(あおしま)メグ」は反対運動があったために、結局、キャラクターは、公認キャラクターから、非公認になったようです。

【関西の議論】ちょっとセクシーすぎる? 海女萌えキャラに抗議殺到 サミット開催予定地に持ち上がった騒動の行方(1/5ページ) - 産経WEST

 

ama-megu.com

 

一般企業の広告では、性的な表現をが強すぎると、女性が購買決定権をもっているような商品などの場合、売上減につながりかねません(ほとんどの家電製品はそうです)。

また、その会社が広告費用を出しており、広告の責任は当該企業が負いますので、あまり問題になることはありません。昔のサントリー赤玉ポートワインの初のヌード広告などは、サントリーの責任で出されたものだと思いますが、高く評価されています。

反対に、女性の下着の広告など、男性からすると、ちょっと露出が多すぎるのでは?と思うこともあるぐらいです。

 

一方、公共団体の場合は、①地方公共団体に宣伝のプロがいない、②よって、当該宣伝活動のターゲットが明確でない、③税金で作っているので、一般企業と責任の取り方が違う、というような点が理由かと思いますが、ときどき、このような問題が発生します。

 

広告代理店やクリエーターと丁々発止やりあえ、バランスの取れた判断ができ、幅広い媒体の知識をもったプロの宣伝やブランディングの専門家を雇うか、助言をもらうことで、解決するのではないでしょうか。 

 

地方公共団体の作成した映像で評価が高いのは、大分県の「シンフロ」です。観光名所のイメージ映像だけでは面白くないのですが、お風呂でシンクロという驚きを表現したもの(しかもレベルが高い)です。このあたりが、地方公共団体としては、一番狙うべきところではないかと思います。

 

大分県の「シンフロ」


【おんせん県】「シンフロ」篇 フルバージョン SHINFURO:Synchronized Swimming in Hot Springs 

 

ちなみに、宮城に、竜宮城伝説があったのはか不明です。企画の段階で、今回の騒動は予想されると思いますので、全体に稚拙な感じは否めません。