大手(ヤマト運輸)から独自配送網構築へ
小売業がデジタル化したときに、最後に問題になるのが、物流・配送の問題です。今年、ヤマト運輸が、業務の多忙から当日配送を撤退するという話がありました。
人手不足、働き方改革、再配達問題(不在)などもあり、ヤマト運輸が音を上げたような形です。
ヤマト運輸の後は、どうなるかというと、首都圏で独自の配送網を構築するようです。記事には次の話が出ています。
- アマゾンジャパンが独自の配送網の構築
- 当日配送サービスを専門に手がける個人運送事業者を2020年までに首都圏で1万人確保
- 大手運送会社の下請けとして繁忙期に業務が集中しがちな個人事業者の活用
- アマゾンは国内で年間約3億個の荷物を発送
- 国内宅配便取扱数の1割弱を占める
- 東京都心部では、桃太郎便を手がける丸和運輸機関が個人運送業者を組織化
- 丸和運輸機関は個人事業者を囲い込む。寮や燃料割引、研修制度も用意
- 軽貨物自動車を貸し出し、新規参入も促す
- 17年度中に東京都心部をカバーするため1000台まで増やし、運転手も1000人規模の確保を目指す
- 20年度までに軽貨物車1万台、運転手1万人体制に拡充し、当日配送の受託地域を首都圏の主要都市に拡大
- 総投資額は100億円を超える見込み。丸和は自社で負担
- 軽貨物自動車での運送事業は、個人事業者が多くを占める
- 国への届け出制で1台から営業可能。16年3月時点の事業者数は15万4842社
- 多くが中堅・大手の運送会社からの下請け。年末など繁忙期に集中しがち
コメント
ネット通販が盛んになると、配送の問題が出てくるというのは、2000年のネットバブルのころにも言われていました。当時もヤマト運輸が株式市場の話題の一つになっていたと思います。
ただし、昨今の人手不足や働き方改革の動きの中で、ヤマト運輸は音をあげた格好です。
今回、アマゾンは、独自配送網を構築が必要になっていますが、日経の記事では、丸和運輸機関が次の受け皿になるようにありました。
先日、引用した、2017年8月22日の日経にあった、フィナンシャル・タイムズの記事では、アメリカでは、シリコンバレーのインスタカートという会社が、ウーバー型で、個人の車を手配しているようです。
丸和運輸機関がやろうとしているのも、それに近いものです。日本にもウーバー型のスタートアップ企業があれば、すでに15万人の個人事業主がいるようですので、ねらい目だと思います。三方よしになりそうです。
ヤマト運輸や丸和運輸機関が、企業としてやっていたIT投資のようなものを、ウーバー型のサービスがやってくれれば、中間マージンが減るので、個人事業主としてはやりやすくなるのではないでしょうか。
ちなみに、下記のブログでは、ヤマト運輸が音をあげるのは、アマゾンの既定路線とあります。各国に入るときに、はじめは軋轢を避けるため、運送大手と付き合うが、徐々に独自の配送ルートを構築するのが戦略とあります。
アマゾン恐るべしです。