生産性を向上させるために
2017年9月9日の日経に、政府が「人づくり革命」推進室が始動という記事がありました。「働き方改革」 という言葉は良くみるようになってきたと思っていたら、新しい言葉です。
- 「人づくり革命」は政府の看板政策
- 内閣官房に人生100年時代構想推進室を設置。約30人の職員
- 「どんなに貧しい家庭に育っても家庭の経済事情に左右されずに夢に向かって進める社会をつくらなければならない」(安倍首相)。教育無償化の拡大などに取り組む意欲
- 「人生100年の時代を迎えるなかで新たなことにチャレンジしようとする人が学び直しをできる社会にしていく」(安倍首相)。社会人の学び直しにも力を入れる方針
- 政府は、未来投資会議を開いてロボット投資や自動運転など7つの分野を議論して来年に新たな成長戦略を策定する方針。成長戦略で職場の効率を高める
- 一方、人づくり革命で人材の能力を引き上げることで、日本全体の生産性を高める狙い
具体的に検討するテーマは、次のようなものです。
- 幼児教育の無償化に向けた「子ども保険」創設
- 大学など高等教育の負担軽減策を議論する。高等教育の無償化では、卒業後の所得に応じて授業料を国に返済してもらう「出世払い」制度も検討
- 長寿命に備える取り組みでは、就職後に必要な技術を学び直す「リカレント教育」の充実
- 新卒中心の企業採用を中途採用にも幅を広げ、企業側の受け入れ態勢も整える
他に次の記事もありました。
- 検討する有識者会議の名称は、「みんなにチャンス!構想会議」
- 人づくり革命は質の高い教育を受けやすくすることで人々の能力を高める取り組み。人口が減っても生産性を引き上げて日本経済を底上げする狙い
- 準備室のメンバーは内閣府や文部科学省、経済産業省、厚生労働省から
- 再編促進による地方大学の活性化も議論する
コメント
5つの項目があるようです。
安倍さんの話からすると、重点は、大学費用の出世払いと、リカレントのようです。
下記のハフィントンポストにありましたが、高校無償政策は民主党政権がやっており、バラマキと自民党が批判していた政策ですので、今回は、完全な無償化ではなく、出世払い方式なのだと思います。
なお、「人づくり革命」のネーミングについての問題点の指摘は、ハフィントンポストの指摘を見てください。「みんなにチャンス!構想会議」も、ネーミングとしてどうかと思います。
日経の記事ばかりで恐縮ですが、2017年8月26日の日経に、202X 年人余り再び?という記事があります。ITやロボットで、企業が効率化し、現在の人不足が、人余りに戻るというものです。リクルートワークスの試算で、2025年に完全失業率が、最大5.8%と、2009年7月の過去最高記録を上回るというものです。
この余剰人員をリカレント教育で、底上げして、単純事務作業ではない、創造性や専門性の求められる仕事にシフトする狙いのようです。
また、2017年8月26日の日経には、来年度の概算要求として、各省庁が2800億円を要求しているという記事があります。目玉政策なので、各省庁が予算要求しているようです。
「働き方改革」と「人づくり革命」は、厚生労働省中心か、文部科学省中心かの違いがありますが、広い意味では少子高齢化への処方箋であり、企業視点では人事系の内容ですので、上位概念で括った方が理解しやすいように思います。
「人づくり・働き方改革2.0」のような感じです。
リカレント教育との関係ですが、これから求められる人材の姿を、明確にすることが重要なように思います。目標ができれば、特に大学や専門学校に予算をばらまかなくても、個人が動き出すのではないでしょうか。