フェイク・ニュースの見分け方
2017年9月21日夕方、日比谷カレッジで開催された、「ニュースを読み解く技術」というタイトルの松山薫さんの講演会に参加しました。
日々、新聞やネットを見ながら、ブログのネタにも使っているので、気になって参加してみました。
松山さんは、元日経記者で、現在、株式会社報道イノベーション研究所の代表取締役、また、関西大学総合情報学部の特任教授だそうです。
内容は、次のようなものでした。
順番に簡単に解説します。
1.「ポスト真実(post truth)」が、オックスフォードの昨年の言葉でした。
これらがこの言葉が選ばれた原因です。
フェイクニュースには、①虚偽、②政治的宣伝、③誤報があり、それぞれが重なっているものがあるようです。確かに、誤解や誤報は十分あり得ます。
2.SNSを通じて、一般市民が情報発信者
「いいね」や「コメント」の投稿で、既に、市民がかつてのジャーナリストと同じ立場にある。しかし、本来、ジャーナリストの立場に立つには、次のことが必要スキル。
- 情報分析、真偽確認、広めて良いのかの判断
- 発信者の立場、動機、表現などの確認
3.フェイクニュースを見抜く
- 若者と年配者では、若者が騙されやすい
- 最近の若者は、PCリテラシーが低い(ワード、エクセルを知らない)
- スマホしか使えない(PCは古いメディア)
- 若者は紙の新聞を読まない(大学の講義で質問、280人で3名のみ)
- 年配者は、ほぼ全員新聞を読む
- 年配者は、ネット記事でも、紙媒体をイメージしている
- 年配者は、ネットニュースでも、どこが出した記事かを確認
- 若者はネットに出ていたとしか分かっていない
フェイクニュースは一般人が作ってしまっており、一般人がジャーナリストが昔から気を付けていたこと理解して、能力をつけないと見抜けないようです(被害を減らせられない)。
4.新聞の読み方
- 新聞記事には格付けがあり、5段階評価されている(縦見出しの段数で分かる。簡単ですね)。横見出しの有無、特に黒ベタの白抜きゴシックが最高位(例:北朝鮮の水爆実験の記事は5大紙が皆同じ扱いで驚いた)
- 語尾の意味(新聞記者は、~の方針を固めた、~の方針を決めた、~の見通しだ、などは違う意味を込めているが、一般人は理解してない)
- 首脳(会社なら社長か代表取締役、国の場合は総理大臣か官房長官)、幹部(役員以上、国の場合は課長以上)等の使い方も業界のルールがある。
5.新聞の将来
- 新聞の将来は悲観していない
- 日経で、電子版読者は54万部。紙が250万部
- 電子版になると、コストがかからないので、新聞社は非常に儲かる
- 電子に切り替えるには、印刷工場、販売店の問題あり
大体、以上のような内容でした。
2018年2月に、「記者の文章の書き方」という本が出るようです。詳しくは、そちらを見てください。
日比谷カレッジのチラシに、松林さんは1973年生まれとありますので、今、40歳です。3年前に日経を退社されているようなので、37歳での転職となります。新聞記者の転職は多いと聞いたことがありますが、こんな若い時期に、次のステップに移るんだなと思いました。
著書に、下記があるようです。