爆発的に増加
2017年9月25日の日経に、中国の特許出願が爆発的に増加しているという記事がありました。www.nikkei.com
まず、表があり、日中の件数の比較がありました。
- 特許出願(2016年):133万9000件(中国) 対 31万8000件(日本)
- 大学の特許出願:13万7000件(中国)(15年) 対 7223件(日本)(16年)
- パソコン著作権登録:29万件(中国)(15年) 対 142件(日本)(12年)
- 知財輸出額(2015年):44億ドル(中国) 対 220億ドル(日本)
- 特許裁判件数(2016年):1万2000件(中国) 対 200件(日本)
そして、科学技術振興機構の報告書をまとめたという記事は、次のような内容です。
(件数)
(制度面)
コメント
中国の商標出願の369万件(日本は14万件)という数字がありますので、中国の特許出願の133万9000件の数字に驚きまんせんでしたが、特許出願も日本の4倍なんですね。
人口が10倍の国ですので、人間が同じように創作活動をすると、人口比例になるはずですので、中国の特許出願は、まだまだ伸びると思います。
パソコンソフトの著作権登録ですが、中国の29万件に対して、142件というのは、あまりに差があります。
著作権登録ですが、例えば、図形商標の異議申立てをしたいが、商品・役務が少し違って商標では難しいときがあります。そんなときも、中国の弁護士・弁理士は、図形の著作権をベースに異議申立をすることを進めてきます。そして、著作権の創作日時等の情報を明確にしておくために著作権登録を勧めてきます。日本では、図形商標でもキャラクター以外、例えば、企業のロゴの図形の部分(ナイキのスウォシュ・マークなど)は簡単な図形すぎて、著作権になじまないという感覚がありますが、中国ではそうではないようです。
パソコンソフトの件数が多い理由は良く分かりませんが、この差にも何か理由がありそうです。
特許裁判件数は、1万2000件の中国に対し、200件の日本というのも、差が大きく比較になりません。
日本は、企業の当事者同士で、ライセンス活動して決着していることが相当多いと思います。日本で特許のライセンスのやりとりは、電機メーカーの感覚では、裁判(200件)の数十倍~数百倍程度あるのではないでしょうか。
個人の想像ですが、日本企業が当事者で決着しているようなことを、中国では裁判所がやってくれているのだと思います。
それだけ、中国企業の知財パーソンが少ないということが言えるのかもしれませんし、中国の裁判が早いということなのかもしれません。
日本で外部の弁護士・弁理士ではなく、インハウスの社員同士で交渉をするのは、なぜかというと、以前は企業の知財パーソンの方が、街の弁護士や弁理士よりも、仕事の質が高かったからだと思います。
弁護士・弁理士がこの領域に踏み込むには、経験を積み、人材育成をしていく必要があると思います。