Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

プレミアムフライデー

今後も月末の金曜日に実施

2017年10月21日の朝日新聞に、プレミアムフライデーを今後も月末の金曜日に実施するという記事がありました。

www.asahi.com

9月末に、経団連会長をはじめ多くの経済人が、総括や日程変更を示唆していたので、てっきり、もっと大幅に、日程変更や、制度そのものの修正になるかと思っていたのですが、プレミアムフライデー推進協議会の結論は、原則金曜日維持で各社で個別調整という玉虫色の結論でした。

 

記事によると、

  • 経済産業省経団連などでつくるプレミアムフライデー推進協議会は、今後も毎月末の金曜日に実施していく方針を発表
  • 月末は企業が忙しいため、経団連の榊原会長が月初めなどへ見直す考えを示唆していた
  • 一方、小売業界を中心に月末を支持する声が多かった
  • 協議会が個人を対象に7月にした調査(回答2015人)では、7月に「通常より早く退社した」のは1割にとどまった
  • 企業向け調査(回答267社)では、採用して社員に早帰りを促している107社のうち40社が「ほかの日に振り替えている」と回答
  • 経済産業省の藤木審議官は20日、月末は忙しくて帰れないという批判はその通り。別の日に振り替えるなど柔軟な対応を求める
  • 経団連のの根本常務理事は、もともと消費の喚起が目的。ほかの日に早く帰っても、消費にはつながる

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プレミアムフライデーに関しては、実施企業が大企業に限定されていることと、実際に月末の金曜日に帰れた人が非常に少ないことなどから、そもそもの制度設計に疑問が投げかけれられています。

biz-journal.jp

 

nishiny.hatenablog.com

 

もともとが、流通事業者の消費喚起策だったものに、働き方改革の話が加わり、二兎を追ってしまった結果、結局上手くいかなかった事例です。

単なる流通の全国共通キャンペーンなら全く問題なかったですし、定時退社推奨という程度なら良かったのですが企業に午後3時退社を呼び掛けたあたり問題が難しくなっています。

 

今回、2017年10月20日付けのアンケート結果報告が、10月25日に公表されていたようです。

プレミアムフライデー推進協議会 | プレミアムフライデー(Premium Friday) 月末金曜、何しよう?

それによると、次のようにありました。

  • 本年2月から始まったプレミアムフライデーも今月で9回目
  • 認知度は9割と高い水準
  • 実施している企業では、一定の効果
  • 働き方改革の浸透や消費喚起の実現は、双方ともに今後更なる努力 が必要
  • 取組は今後も定期的に実施していく
  • これからも月末金曜を中心に実施
  • 各月のテーマを早めに設定し、公表。消費喚起につながる取組の実施を促す
  • 働き方については、職場や地域、個人の実情に応じた柔軟な取組も推奨
  • 月末金曜、15時に限らな い。例えば、他の金曜日に振替等

詳細なアンケートがついています。

アンケートは、取り方によって、結論を誘導してしまうこともありますので、良く注意して見ないといけませんが、今回の調査は、認知度の高さと若手の声で押し切ろうとしているようなアンケートです。

しかし、調査対象は経団連加盟の1536社で、回答が267社と経団連加盟各社はアンケート自体に非協力的です。

 

もともと流通業者としては、大々的な消費喚起キャンペーンができれば良かったところに、別の働き改革の要素を入れたために、キャンペーンは大々的にできたが、批判されてしまったというとこでしょうか。

 

今回、実施時期を地域や企業で、自由に日時を移動できるとした点で、これ以上は、経団連の経営者も何も言えないのかしれません。

 

本来の働き改革は、もっと大きな、整合性のとれた政策パッケージになるものだと思います。

経済界も、製造と流通で、一枚岩ではないという感じがしました。

 

早帰りは、ノーワークノーペイの原則から、フレックスや時間年休の制度を導入しないとなりたたない制度ですが、双方の制度がない会社はまだまだ多く、プレミアムフライデーを本当に広げるつもりなら、ここから手を付ける必要があります。

 

それにしても、この制度、ある日に皆一斉に帰りましょうという点で、非常に集団主義的な感じがします。