Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

トヨタのブルーキャブ

ブルーのタクシー

2017年10月24日の朝日新聞に、トヨタ自動車がタクシー専用の新型車「JPNタクシー(ジャパンタクシー)」を発売したという記事がありました。

digital.asahi.com

  • タクシー専用の新型車「JPN(ジャパン)タクシー」を発売
  • 22年ぶりの新型タクシー
  • 東京五輪があり、タクシーで東京の景色も変わる」と社長
  • 乗り降りしやすく、燃費約2倍のハイブリッド車。自動ブレーキなども標準装備
  • トヨタのタクシー業界でのシェアは7、8割
  • 「深藍(こいあい)」と名付けた濃い藍色で車体の色を統一するよう業界に求める
  • 藍色は海外で「ジャパンブルー」と呼ばれている
  • ニューヨークの「イエローキャブ」やロンドンの「ブラックキャブ」のような象徴的なタクシーにするねらい

 

コメント

トヨタのWebサイトに、写真が沢山載っていました。

toyota.jp

東京オリンピックパラリンピックに向けて出した商品で、World Wide Partnerとしてのトヨタらしい商品です。

 

1.製品特性

LPガスハイブリッドや衝突安全など、先端技術が使われていますし、背も高くタクシーとして使いやすそうです。

デザイン的には、ロンドンタクシーの現代版というイメージでしょうか。

2.カラー

サッカーの日本代表と同様、青系統の藍色で日本を感じます。ニューヨークの街にはイエローキャブが、ロンドンの街には黒色のロンドンタクシーがぴったりですが、東京や日本の街には、藍色という分析なのだと思います。

2.ネーミング

JPNというISOの3文字コードを、ジャパンと読ませています。2文字のJPではジャパンとは読みにくいので、3文字コードとなったのでしょうか。昔は良く3文字コードを見ましたが、最近は見かけなくなった感じがします。

JPN TAXIではなく、JAPAN TAXIとすると、ネーミングとしてやり過ぎで、日本の企業なら誰でも使えるものですので、JPN TAXIとしてみたというところでしょうか。

JPN TAXIでも、ライバルの自動車会社にしては、ちょっと待ってよという感じかもしれませんが、ここまで割り切ったタクシー専用車は各社も出す予定はないと思いますので、業界として後押し、あるいは黙認してはどうかと思います。

単純に色の名前で、ブルーキャブや(深)藍キャブなどでも良かったのではないかと思いますが、そちらの名称は世間が呼ぶ略称として世間に任せておいても良いのかもしれません。

 

朝日新聞にありましたが、トヨタは色の変更をせずに、この深藍(こいあい)色のまま、日本全国で使ってもらう予定のようです。

 

メーカーとして色違いはお断りということですが、買った会社が勝手に塗装で変更するのは、止めにくいですね。メーカーには、売る売らないの権利はありますので、そのような顧客には売らないということは可能とは思いますが、そういう方針であれば、予め宣言して周知しておき、世論も味方につけるぐらいにしておくべきだと思いました。

 

日本のタクシーは、地域によって、色が違い、昔の大阪では黒のタクシーしか見たことがなかったので、東京で黄色いタクシーが走っているのを見て、新鮮に感じた記憶があります。

 

東京でも、京都でも、その他の地域でも、日本に来た外国人には、深い藍色が記憶に残ると思いますので、このタクシーは、日本のイメージ決定に案外重要なものではないかと思います。トヨタも、各種のリサーチを含め、頑張って作った車ではないでしょうか。