最高益とaiboと株価
2017年10月30日まで4,300円ぐらいだったソニーの株価が、11月2日の終値は一挙に5,000円を超えました。実に15%以上のアップです。この値動きは、驚きです。
理由は、10月31日にあった、20年ぶりの最高益の更新のニュースのようです。それに花を添える形で、11月1日に、新型aiboの発表がありました。平井社長自ら新製品発表をするのは、日本でははじめてということです。
株価の上昇は業績だと思いますが、国内外で、株価上昇をaibo復活に関連付けた説明も散見されます。確かに、何か目に見えるものがあると伝達力が違います。このaiboはソニー復活のシンボル的な製品になったと思います。
さて、2017年11月1日の日経の電子版に紹介記事があります。
- 発売は2018年1月
- 2006年に生産を中止したAIBOの後継機
- 名前は小文字のaibo
- お手の求めに応えたり、鳴いたりする
- 電池の残量が減ると自らチャージスタンドに向かう
- AIを搭載して個体の特徴も維持し飼い主による好みの違いに対応
- ネットワークに常時接続。家庭での動作情報をクラウドで集約
- 子どもの見守りや高齢者の認知症対策など多様な使い方はアプリが対応
- 設計や仕様の公開を検討しており他社がアプリを開発できる
- 価格は税別19万8000円。3年間9万円か月額2980円の36カ月契約が必須
- リカーリングがビジネスとしてのaiboの成否のカギ
- ソニーは20年ぶりに営業最高益を更新の見通し。1日は業績見通し発表を受けて株価も跳ね上がった。
- 犬型ロボの再投入は創造性の高いソニー像を取り戻しつつあると印象づける狙い
とあります。
NHKが、特別の許可を受け、aiboの製品開発に密着取材していたようです。近いうちに、放映されるのではないでしょうか。技術者の生の声が聞けそうです。
コメント
映像を見ていると、先代の精悍な顔立ちのaiboに比べて、今回のaiboはだいぶ可愛くなっています。動きも滑らかで、先代に比べると本物のような動きです。この10年でロボット技術もだいぶ進化したいように思いました。
製品としてのaiboの特徴はAIのようです。クラウドとのやり取りが必須で、月3000円かかるようです。
目標生産台数ですが、先代のaiboの15万台を超えたいとありました。15万台と仮定して、本体は20万円ですので、300億円のビジネス。毎月のクラウド代が、月3000円として、月間4億5000万円、年間54億円の売り上げとなります。確かに経営の安定には、リカーリングが必要なようです。
子供の見守り、認知症もありますが、マンションでのペットの見守りに、現実的な需要があるように思います。
NHKの記事には、一年半の期間で、タイトなスケジュールの中開発し、平井社長も何回も足を運んだとあります。
ホンダのスーパーカブの1億台と新型スーパーカブの国内生産は、ホンダが仕組んだなと思いました。一方、ソニーの業績復活&株価アップの時期と、aibo発表が重なったのは、特に仕組んだのでなく、努力してきたことの成果がたまたま重なっただけのように思います。
もし、ソニーが最高益更新と新型aibo発表を(1年半前から)仕組んでやり、世間の評価を一晩でひっくり返す戦略だったと仮定すると、驚くほど高度なPR戦略、ブランド戦略です。
そんなことって、あり得るのでしょうか?少し前から時期をアジャストしただけなら分かるのですが。。。