Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

GMOブライツコンサルティングのセミナー

パネルディスカッションに参加

●2017年11月9日、10日の両日、竹橋のTKPで行われた、GMOブライツコンサルティング主催のブランドと商標のセミナーに参加しました。ブランド×商標がテーマで、クローズドなセミナーです。ブライツさんのお客様だけのものだったようです。

 

商標管理とブランドマネジメントの双方の経験があるという理由で、パネラーとして、お声がけいただきました。

ブライツさんは、ドメインネームと商標関係の仕事をされていますが、双方でお付き合いしたことがあります。元気な会社です。

 

●パネルディスカッションですが、パネラーには、1日目は、セントエルモスの池田烈さん(ランドーなどにおられた方)、ソフトバンクの網野圭亮さん(法務・商標とブランド部門の双方を経験された方、網野誠先生のお孫さんのうちの弟さんです)、ブランツの今井さん(元ソニーで商標やデザイン部門でのご経験あり)、私です。2日目は、網野さんに替わり、クニエの周治貴伸さん(楽天ドメインネームのマネジメントを成功させた方)でした。

 

参加者は、商標の方が多いということでしたので、その方々にブランディングの知識を持っていただき、業務に生かしてもらおうというのが、主催者の意図のようでした。

 

そのため、池田さんがブランディングとは何かということを事例を交えてお話しされ、私が商標管理とブランドマネジメントの違いを話し、パネルディスカッションでは、今井さんの司会で、組織の在り方などを議論しようというものでした。

 

今まで、以前の会社にいるときに、ブランドの話をしてくれというときは、そのときの会社の動きを説明すれば良かったのですが、会社を離れて一般論として説明するとなると中々難しいなと感じました。

 

また、パネルディスカッションというのは、聴き手の関心事、司会者やパネラーの関心事が一致しないと成立しないので、仕込みが大変だなという感じです。

特に、聴き手の方は千差万別ですので、すべての聴衆が満足する話はないのだと思いますが、想定するマジョリティの聴衆が満足される内容にしておく必要があり、これは相当、準備が難しいなと感じました。

 

言いたいと思っていた点があったとしても、その点に話が及ばないと、当然、言うタイミングはありません。

 

●特許事務所勤務で、通常は、海外の現地の弁護士・弁理士と商標の調査・出願・中間処理・同意書取得などをしているのですが、この商標の仕事と、ブランドマネジメントなり、ブランディングの仕事は、仕事の流れの中ではつながっていますが、役割分担している仕事です。

 

ブランドコンサルの方にはコンサルの役割デザイナーとしての役割、企業のブランディング担当者にはブランディングを進める役割、企業の商標担当者には商標管理を進める役割、特許事務所の商標担当者には権利取得をする役割などです。

各々が、専門化して、双方、何をやっているのか知らない状態を、少しでもつなぐことで、全体の力が強くなればと思っていますが、使うテクニカルタームが違うので、なかなか難しいと感じました。

 

自分自身、外国商標なら外国商標で、より専門家になっていくことが目標であり、それに全力投球することが生きる道です。ただ、全体を俯瞰できることは、今、特に求められていることではありません。ただ、何かの判断のときに、どこかで役に立つことがあるというイメージです。

企業におられる方、特に商標の方は、全体を俯瞰されることが業務に役立つので良いことだと思います。また、ブランド部門の方が商標の感覚を知るのも、悪くないと思います。

 

特許事務所の商標担当者が、ブランドやブランディングの知識を持っていれば、中小企業などで助かることもあると思います。

そして、最終的には、餅は餅屋で、一番、適切なところに、仕事は行くのだと思います。

 

●お声がけいただいたブライツの皆さん、つたない話聞いていただいた聴衆の皆さんに感謝しています。私にとっては、貴重な経験でした。