今年は255名が合格
所属する西日本弁理士クラブから、合格祝賀会の連絡が来たので、その時期だと分かりました。
合格者の皆さん、おめでとうございます。お疲れさまでした。
合格発表自体は、特許庁のWebサイトにありましたが、統計データは経済産業省のWebサイトに出ています。
2017年の結果は、
- 志願者数4,352人(前年度4,679人)
- 受験者数3,912人(前年度4,211人)
- 受験率(受験者数/志願者数)89.9%(前年度90.0%)
- 合格者数255人(前年度296人)
- 合格率(合格者数/受験者数)6.5%(前年度7.0%)
- 合格者平均受験回数4.2回(前年度4.4回)
とありました。
合格者の内訳としては、
- 年齢別
20代:20.8%、30代:46.7%、40代:23.1%、50代:8.2%、60代:0.4%、70代:0.8%
最年少20歳、最年長71歳 - 職業別
会社員:52.5%、特許事務所:31.8%、無職:6.7%、公務員:2.7%、学生:2.4%、自営業:0.8%、法律事務所:0.8%、その他:2.4% - 男女別
男性:72.9%、女性:27.1% - 出身校系統別
理工系:78.8%、法文系:15.7%、その他:5.5% - 受験(免除)種別
短答受験者:25.9%、短答試験免除者:63.9%、筆記試験免除者:8.2%、工業所有権法免除者:2.0%
とあります。
コメント
最近の受験制度や合格者数など十分理解していないのですが、一時は、1万人受験して800名が合格するというときもありましたので、受験者も合格者もだいぶ減ったなと感じます。
以前の、合格率3%の弁理士試験が優秀な弁理士を生むためのシステムとして機能していたのかは不明ですが、資格試験は合格率が低い方が難しいとされ権威がありました。当時(30年前のことですが)、3%台の司法試験や弁理士試験は難関に思えましたが、7%の行政書士は非常に簡単に思えました。現在の合格率は、6.5%ということで、昨年の7%より少し下がったようです。
自分が受験していた当時の記憶との対比なので、数字はアバウトなのですが、合格者の内訳で、20代が20%もいるのは、だいぶ違っています。当時、20代は数名でした。
男女比は、女性比率が格段に上がっています。当時は数名でした。
法文系と理工系の比率はこんなものかと思います。
多肢選択式試験の免除は、知財学部の大学院と制度変更のようです。
一番の注意を引いた違いは、特許事務所勤務より、会社勤務が多い点です。これは、資格試験としては、だいぶ奇妙な状態です。当時は、6~7割程度が、特許事務所勤務だったように思います。そもそもが、開業向けの資格ですので、この比率は、ひっくり返らないとおかしいようにおもいます。
弁理士の数が多すぎることもあり、価格破壊が起こっているのですが、給与水準が企業に負けているようです。仕事は企業の方がバラエティがありますので、弁理士や志願者が企業に流れているように思います。
また、単純に、知財業界で働いているの数が反映している面もあります。知財協会加盟各社の知財担当者を合計すると、10万人と聞きました。特許事務所が何軒あるのか数字はありませんが、1万人の弁理士の8割が特許事務所にいるとして、そして、8000人のサポートをしていただく人が弁理士一人に各3名いると仮定して(4名でワンチームのイメージ)、合計3万2000名となります。この数字の差が反映したものでもあると思います。
ただ、方向性としては、先行技術調査や発明発掘、ライセンス交渉など、企業は企業ですることがあり、明細書作成や外国特許事務の内製化に有為な人材をあまり配置しない方が健全と思います。
ちなみに、先日、商標・意匠のBrexitの関係で、英国の商標弁理士会(CITMA)のWebサイトを見ていると、メンバーは1500名とありました。一方、英国の公認特許代理人協会(CITA)のPatent Attorneyは2000名で、その他の人を入れて、合計3500名のメンバーとありました。
これらの団体が、日本の商標協会のような任意団体なのか、日本の弁理士会のような加入がないと活動できないものなのかは不明なのですが、参考数値です。
そもそも、弁理士という制度は英国発のものなので、もう少し勉強しておきます。
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