ロゴはどうなる?
2017年12月14日の日経に、楽天が携帯電話事業者になるという記事がありました。
- 現在、ドコモから回線を借りて格安スマホの「楽天モバイル」を運営
- 2017年11月にはフリーテルを買収して約140万の契約者
- しかし、1契約あたりの収入が低く、接続料のため利益率は高くない
- 自前で周波数帯や設備を所有すれば、接続料を支払う必要がなくなる
- 今回は、まず、「4G」の周波数帯を取得し、4Gた設備を整備
- これを、2020年に始まる「5G」の足がかりにする
- 2019年から携帯キャリアとして新サービスを始める
- 新規事業者への周波数帯の割り当てはイー・アクセス(現ソフトバンク)以来
- 自前で回線や設備を持ち通信品質などを高める
- スポーツ中継といった動画ビジネスと組み合わせ、通信と放送の融合も進める
- 約10年後をめどに1500万以上の契約件数を目指す
- 基地局の整備などに数千億円の投資必要
- サービス開始時に2000億円、2025年までに最大6000億円を借り入れる
- 数千万の契約数を持つ大手携帯3社との差は大きく、継続は簡単ではない
というような内容です。
コメント
このニュースのため、株式市場では楽天株と他のキャリアの株が双方下がっているとありました。
楽天は、巨額の借入金や競争が厳しいと予想されるためですし、他のキャリアは、楽天が営業攻勢をかけてくるので競争が激しくなり今ほど利益があげにくくなるというのが理由のようです。
キャリアは、法律で守られた事業ですので、なんだかんだと言っても儲かります。もっと通信料金は下げられるのに、高止まりしているというのは、その通りだと思います。政府も期待しているようです。
問題はiPhoneで、日本ではiPhoneがないと顧客獲得ができないようですが、アップルが売りの売りの小さな楽天にiPhoneを供給してくるかどうかが、事業成功のポイントのようです。
さて、私が気にしているのは、楽天モバイルのブランドロゴです。
「楽天モバイル」という漢字片仮名交じりの言葉と、下記の英語の「(R)Mobile」の2つが出てきます。
以前の楽天は、
「楽天市場」
「楽天トラベル」
「楽天証券」
という漢字と片仮名が中心でしたが、
現在は、赤の丸に白抜きのRの図形が、必ずついています。
また、証券、銀行は、まだ、漢字の「楽天証券」「楽天銀行」ですが、それ以外では、漢字は消えて、ローマ字の「Rakuten」中心になって来ています。
すなわち、
「楽天トラベル」→「(R)Rakuten Travel」
「楽天カード」→「(R)Rakuten Card」というようになっています。
(R)の赤い図形と、「Rakuten」というローマ字を基本にして、業態を表すのに必要な言葉「Travel」とか、「Card」を付加する戦略のようです。
ブランド体系論でいうと、個別事業ブランドや、エンドース事業ブランドというではなく、マスターブランド戦略となります。
別の言い方をすると、「Travel」「Card」のついた「(R) Rakuten Travel」「(R)Racten Card」は、「(R)Rakuten」ブランドがマスターブランドとするとサブブランドという整理をすることも可能です。
今回の携帯電話事業でも、このルールを当てはめると、「(R)Rakuten Mobile」となるはずですが、実際は、「(R)Mobile」となっています。なぜなんでしょうか?ちょっと考えてみました。
一つの理由ですが、携帯キャリアの名称は、生活に深く入り込むので、短いに越したことはありません。「ドコモ」「エイユー」「ソフトバンク」と3音~6音までです。
「ラクテンモバイル」は8音と長いので、短くするとすると、「アールモバイル」(長音を除き6音)となります。
もう一つの理由は、漢字の「楽天」を想起してしまう「Rakuten」を使うよりは、「(R)Mobile」の方が、若者受けが良いという理由です。
「(R)Mobile」と表記しているのを、「ラクテンモバイル」と読んでもらうべきなのか、いっそのこと「アールモバイル」で良いとするのかは、どちらにも誘導はできます。楽天の意思次第です。
もし、楽天が携帯電話で成功したとすると、そのインパクトは大きいので、「(R)Rakuten」は、すべて「(R)」に切り替えても大丈夫ということになります。「Rakuten」から「(R)」へのブランド変更です。
少なくとも、大阪の元弁理士に先を越されないように、「(R)Travel」「(R)Card」も商標出願しておくべきですが、すでにやっておられるでしょうか?