一貫し過ぎ?
2017年12月13日のYahooニュースで、「ホウドウキョク」の配信ですが、面白い記事を見ました。東横INNフランクフルト中央駅前の紹介です。headlines.yahoo.co.jp
この部屋が、ドイツにある東横INNフランクフルト中央駅前の客室だそうです。
ホウドウキョクは、東横インにインタビューをしています。
できるだけ日本と変わらない仕様にしているとのことです。
違いは、スリッパ・ナイトウェアが無い、歯ブラシは有料、シャンプー・リンス・ボディソープはドイツ製品、コンセントもドイツで普及しているCタイプ、という点だそうです。
朝食は、おにぎりではないですが、白米のご飯があるようです。もちろんパンもあります。
日本人が利用しているのかというと、案外、欧米の利用者が多いようです。
東横INNは、どのホテルにおいても客室の作りはほぼ同じで、来春、フランスに、「東横INNマルセイユ サン シャルル駅前」がオープンとのことです。
コメント
最近、出張は都内だけなので、ビジネスホテルを利用することは全くないのですが、以前は、ほとんど大阪出張ですが、良く利用していました。
インバウンドとUSJで、大阪のホテルは人気で、数年前に、5,000円ぐらいで泊まれていたホテルが、軒並み10,000円以上となり、会社の出張旅費予算オーバーということもあったのですが、東横INNは価格を変えず安い値段で提供しているので、人気となっていました。
APAホテルが1万数千円と高騰したのとは、だいぶ違います。背景には、社長の哲学のようなものがあるようです。
公式Webサイトによると、この東横INNフランクフルト中央駅前ホテルは、シングルが39ユーロです。134円で計算すると、5226円という値段でした。安いですね。
このホウドウキョクの記事を見て、東横INNは、本当に愚直なまでに徹底しているなと思いました。
ドイツやマルセイユまで、同じ仕様、同じ朝食でホテルサービスを提供しようというのは、余程、自分のやり方に自信があるということか、(いい意味で)何も考えていないか、どちらかだと思います。
ブランド論でいう一貫性ということについては、ここまで徹底することは、非常に困難であり、また、良いことなのだと思います。自分達の強さをしっかり認識しているからこそできることで、ブランド戦略的な思考ができているように思います。
日本の出張者は、海外まで出張に行って、少し異国情緒のある現地のホテルに泊まりたいかもしれません。しかし、再々フランクフルト出張があり、現地ホテルに飽きた人もいるでしょう。
そして、欧米の現地の人が、このホテルのサービスを認めるなら、それが一番です。
商品の場合は、同じ仕様の商品で世界で販売することも当然あります(それでも各国の要望を入れたデザインにしたりします)。
一方、サービスは、そもそもが、レストラン、旅館など、非常に局所最適なものが多く、そもそもが多様なもので、一つの型に当てはめられないと思っていました。
この東横INNのホテルが、海外で受け入れられるなら、日本でキッチリと運営され、成功しているサービスは、ほとんど海外で成功しそうです。美容院、散髪屋などは、その候補ですが、ドトールコーヒーなども、大成功する可能性があります。
商品輸出ではなく、サービス輸出を検討する時期になっているように思います。サービス輸出で、日本に資金を還流するには、ノウハウと商標です。
そして、事業を始めるには、まず、商標が必要ですので、是非、サービス事業者には、世界で商標権を取得して、事業を進めていただきたいと思います。
数年先に事業を開始するなら、商標の手当は、今直ぐやっておくべきです。如何せん、サービス事業者には特許部門がないので、商標は後手後手に回りやすいのが課題です。