色んな考えがありそうです
2018年3月9日付けのHUFFPOSTの記事(朝日新聞デジタル)で、マクドナルドが世界女性デーにちなんで同社のロゴを逆さまにしたという記事がありました。
- 3月8日の国際女性デーに合わせて、マクドナルドの看板の「M」の文字をひっくり返した
- Woman(女性)の頭文字「W」に
- カリフォルニア州リンウッドの店舗
- 国際女性デーに合わせ、あらゆる女性たちを称賛するために、会社の歴史で初めて象徴的なロゴをひっくり返した
- 全米100の店舗で特別な包装を用意し、店員もいつもとは違う帽子やシャツを着て国際女性デーを祝う
- リンウッドの店舗では、パトリシア・ウィリアムズさんという女性が30年前からオーナー
- 米国のマクドナルドによると、現在、店舗の責任者の6割が女性
というような内容です。
コメント
世界女性デーというのは、Wikipediaによると、国際婦人デー、国際女性の日ともよばれるもので、3月8日だそうです。1904年のニューヨークの婦人参政権運動のデモが、この日にあったのを記念しているようです。
通常、ブランドロゴは大切にするもので、そのロゴの通りに使用し、認識・記憶してもらうように細心の注意を払いますので、ロゴをひっくり返すなどは、ブランド表現としてはやってはならないことです。
ブランド管理の担当者からは、禁じ手であり、奇策のようにも思います。
商標担当者としての目から見ても、MとWでは、全く違う商標ですので、調査や出願をやり直し必要があるということになります。(一過性のことなら、商標ではなく広告の表現の手法であると主張して、切り抜けることはできるかもしれません。)
さて、英国ですがGardianによると、マクドナルドには、女性従業員から、低賃金や雇用契約で、だいぶ不満があったようです。 この問題が根底にあるようです。
一方、マクドナルドのWebサイトには、記事にあった、同店の女性オーナーのストーリーなどが、動画で紹介されています。
確かに、マクドナルドには、成功している女性も沢山いるのだろうと思います。その紹介をすることで、これらの批判に答えるという面がありそうです。
海外の記事には、少し突っ込んだ、批評がありました。
But attaching an action to a press release gets you more than just buzz. It can buy you loyalty. Such a policy would create a better employee experience, and employer branding is customer branding just as customer branding is employer branding.
Press releaseよりも事実の方が重要であり、(良い)ポリシーは良い従業員の経験になり、消費者へのブランディングが従業員へのブランディングであるのと同様に、従業員ブランディングが消費者へのブランディングである、と言っています。
この点、最も進んだ広告の考え方からすると、広告が企業実体に先行して消費者に働きかけ、消費者にそのイメージができ、そのレベルに到達するように企業が努力するという方法もあります。
マクドナルドの担当者(たぶん女性問題担当者)は、同社が低賃金などで批判されていることを分かったうえで、あえて、この広告をしていると思います。会社を変えていこうという意思を広告という手段で、世間に表明したのかもしれません。
そうなると相当な責任が生じてきます。そこまで考えないと、ブランドロゴをひっくり返したりもできないように思うのですが。。。
何れにしても、マクドナルドは話題に事欠かないブランドです。