日本法人だけで発売
2018年3月8日の日経に、コカ・コーラが日本で缶チューハイ事業に参入するという話が出ていました。
- コカ・コーラが日本で酒類事業に参入
- 2018年中に缶チューハイ商品を投入。缶チューハイを発売するのは世界で初めて
- 世界的に砂糖税の議論が活発
- 日本では清涼飲料事業の競争が激しい。新規の事業育成の足がかり
- 日本コカ・コーラのホルヘ・ガルドゥーニョ社長が方針を表明
- 日本でチューハイと呼ばれるカテゴリーの製品を試す
- コカ・コーラグループでは、過去にワイン事業に参入していたが、1980年代に撤退。現在はグループ全体でも酒類事業を展開していない
- 参入の背景は、日本では、缶チューハイが伸びていること
- 缶チューハイの2017年の市場規模は前年比9%増
- 今後も市場の拡大は続く見通し
2018年3月10日の日経には、この缶チューハイが、レモン味のもので、5月に発売され、まずは、九州限定という話が出ていました。
コメント
コカ・コーラといえば、ノンアルコールの清涼飲料の代名詞のような存在ですので、アルコール入りの飲料の事業に参入することだけで、大きなニュースになります。
通常のブランド論からすれば、コカ・コーラが持つ、さわやかなイメージに影響を与える可能性もあり、やってはいけないこととなのかもしれません。
一方、日本のライバルのキリンやアサヒなどが、もともと、ビールから出発しているので、当然のように、同じブランドで、アルコール飲料と清涼飲料を販売していることからすると、それほど、驚くべきことではないようにも思えます。
しかし、ブランドの本質は個性にあり、特にコカ・コーラはノンアルコールの清涼飲料のイメージが強いので、やはりこの話はニュースになる話です。
2018年2月22日付で、CocaCola Journeyというタイトルの同社の広報Webサイトに、この話が出ています。日本法人の社長のインタビューの形式です。
この中で、日本の市場の競争の激しさや、コーヒーやお茶の成功などが説明され、最後にチューハイのことが出ています。コカ・コーラは、常にノンアルコール飲料に注力してきたが、日本チューハイの実験を行うと記載しています。
あくまで日本という特殊市場での試みとしていますが、この記事のタイトル「Innovation in Japan :The Exception Becomes the Rule」とセットで考えると、将来的には、日本と同じような環境の市場ではあり得るとしているようにも思います。
日本コカ・コーラの社長は、1992年の入社で、多くの国のコカ・コーラの代表をしてきた方のようですので、コカ・コーラの価値が何なのかなど、十分わかった上で、あえてチャレンジしようとしているようです。
もしかすると、日本で成功し、他国のコカ・コーラでもアルコール飲料が販売される時期が来るのかもしれません。
長年世界1だった、インターブランドのブランドランキングも徐々にランキングを下げて、2017年は4位となっています。企業は変わらないといけないのだとも思います。
当然、缶コーヒーの「ジョージア」や日本茶の「綾鷹」のように、別のブランドが出てくると思いますが、売り方を含めて、この缶チューハイで、どの程度、コカ・コーラ、CocaColaブランドを露出するのかなと思います。