歩道にするまでの道のり
2018年3月5日の日経夕刊に、大阪の御堂筋の側道を歩道にするという記事がありました。
御堂筋は大阪市の中心部を南北に貫くメインストリートですが、自動車専用の計6車線のうち、側道2車線をすべて歩道にする提言を、御堂筋完成80周年記念事業推進委員会が出したとあります。2018年度中に将来ビジョンを策定する方針とあります。2025年の万博までに実現するようです。
実現すると、幅15メートルずつの広い歩道になるとあり、全域でオープンカフェや休憩場所、イベントができるようにするとありました。
コメント
御堂筋は、もともと、6車線もある広い道で、それが北から南に一方通行になっている面白い道路です。大阪市中心部を西から東に、四つ橋筋は北行き、御堂筋は南行き、堺筋は北行き、松屋町筋は南行きと、交互に一方通行になっています。
Wilipediaによると、1970年の万博を機に、膨大な交通量をさばくために、一方通行にしたとありました。
御堂筋に、なぜ、側道があるのかを考えてみました。
本線から右折左折する車は、側道に入って、ゆっくり走っても良いようにすることで、本線のスピードが下がらないようにするためだろうと思いました。
6車線もありますので、急に左から右に行くこともできません。側道と本線の間のグリーンベルトがあることもあります。運転者に、曲がりたいときには予め早めに側道側によっておき、曲がる前には、側道に入っておくように誘導する効果があるのではと思います。
南行き一方通行と同様に、基本的には、大量の交通量を裁くための、大阪人の合理的精神に基づくものだと思います。
しかし、下記の資料によると、御堂筋の自動車の交通量は、40年前に比べて、約4割~5割減っているようです。一方、自転車は増加傾向にあり、40年前の約6倍~7倍となっており、歩行者が歩きにくい状況になっているようです。
そのため、側道を廃止して、歩道を拡張し、自転車道を設けることで歩行者の安全を確保するのが狙いのようです。
http://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/cmsfiles/contents/0000280/280393/an.pdf
これに、万博や街づくりといった最近の要素が加味されているようです。
検索していると、御堂筋の側道の歩道化は、橋本市長の時代から繰り返し、話題になっているようなのです。
橋本市長は歩道と自転車道というものを並べて強調されていたいのが、吉村市長は歩道だけを強調していますし、新聞の記事でも自転車道のことが言われておらず、反対に、将来的には車道を無くすという構想までかかれていたりします。
自転車道は歩行者の安全のためでしかなく、たとえ作るとしても、強調すべき点ではないのかもしれません。
今回の提言は読めていないのですが、大阪はコンパクトな街ですし、地下鉄も良くできているので、自転車をあまり推進しない方法もあります。東京など、バイクシェリングが普及してきた感じがありますが、大阪ではどうなのでしょうか?
大阪市のWebサイトに、御堂筋についてのサイトがありました。
元々、国の管理であった御堂筋を大阪市の管理にしたりしているようです。
社会実験をしたり、一部区間だけ先行して改修したり、非常に時間をかけて、側道の歩道化を推進しているようです。
万博はライバルと目されていたパリが離脱したようですので、2025年に開催される可能性は高くなりました。この万博の時期を、現在以上の海外からの集客が予想されます。御堂筋もその時期に合わせて改修していくのだろうと思います。
現在の南行きへの一方通行も万博が関係しているようですし、大阪と万博には奇妙な縁があるもんだと思いました。