中国が日本を抜いて2位
2018年3月22日の日経に、WIPOが2017年の特許の国際出願(PCT)件数を発表し、中国が日本を抜いて、2位となったという記事がありました。www.nikkei.com
- 世界全体では5%増の24万3500件(うち半分は東アジアからの出願)
- 1位は、米国の5万6624件
- 2位は、中国の4万8882件(前年比13%増)
- 中国は、2003年から毎年10%以上の伸び
- 日本は、4万8208件で3位(前年比7%増)
- 日本は、2003年から保った2位の座を明け渡した
- 企業別では、ファーウェイなどが1、2位を独占
- 知財は米中2強時代になりつつある
- WIPOは3年以内に中国が米国を抜くと予測
- 個別企業では、1位ファーウェイ。2位ZTE。三菱電機4位。ソニー9位。
とありました。
コメント
PCTについては、国毎のランキングの話と、企業毎のランキングの2種類の話があるようです。
Global Noteというサイト(会社)があり、そこには、ランキングが整理されていました。
2017年のランキングは、上記の日経にある通りですが、Global NoteのWebサイトでは、過去の年度ごとに検索することもできます。
例えば、2017年の10年前(2007年)のランキングを見ると、
1位 米国 54,057件
2位 日本 27,743件
3位 ドイツ 17,825件
中国は、7位の5,454件でした。
10年前も、米国は5万件台のPCT出願数で、ほぼ同じボリュームです。
中国は、10年で、約9倍になっています。
日本も、1.7倍ですので、日本の経済状況からすると頑張ってPCT出願しているなと思います。
特許行政年次報告書のダイジェスト版を見ていると、特許では、日本企業は、基本的に国内出願の件数は絞って、外国出願を増やす傾向が続いているようです。
商標の場合は、リーマンショック後の2009年を底に、国内が少しづつ増えていますが、外国出願(マドプロ出願)は横ばいか、あるいは、少し増えているといったところでしょうか。
https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/nenji/nenpou2017/honpen/0004.pdf
商標のマドリッドシステム(マドプロ+マドリッドでしょうか?)について、ランキングしたものは、WIPOにありました。
http://www.wipo.int/edocs/infogdocs/en/ipfactsandfigures2017/
2017年ですが、
1位が、アメリカで、7884件(2%アップ)
2位が、ドイツで、7316件(3%ダウン)
3位が、中国で、5230件(36.3%アップ)
日本は、8位で、3.4%アップの2495件とあります。
中国の躍進は商標でも、同じようです。
ちなみに、意匠のハーグは、ドイツ、スイス、韓国が多いようです。
以前の会社で、特許の先輩が言っていましたが、「数が出ないことには、質が上がらない」というのも、一つの真理ではあると思います。最近の国内出願の減少はあまり良いこととは思われません。
出願や権利の数と、質のバランスの問題は、永遠の課題なのかもしれません。