契約書の誤りを自動で発見
2018年4月16日の日経に、リーガルフォースが契約書の誤りをAIが自動で発見するソフトウェアの提供を始めるという記事がありました。
- リーガルフォースという会社
- AIを使って契約書の形式上の誤りなどを自動で見つけるソフトウェアを提供
- 契約書の種類毎に、必要な項目の抜け落ち、条文の整合性を自動で精査
- 過去の契約書を読み込ませて、企業のスタイルに合った書式を学習
- 形式的なミスを機械が見つけ、契約書の作成時間を半分から3分の1に短縮
とありました。
コメント
リーガルテックの一つですね。 nishiny.hatenablog.com
アメリカが先行している分野のようですが、日本にもこの種のサービスが多くなっているようです。
リーガルフォースという会社は、森・濱田出身の弁護士さんが創業した会社のようです。
社名、ロゴ、Webサイトのデザイン、どれをとっても洗練されています。今は、β版でということで、参加する企業や法律事務所を求めているようです。
近いもので、2018年4月17日のTechcrunchに、GVA-TECHが提供するAI-CONというサービスの紹介がありました。
こちらは、システムのバックアップに弁護士の目視がついていて、1件1万円となっており、すでに業務になっているようです。
契約書のチェックのソフトウェアやサービスは、出来上がった契約書を精査するためのものです。
特許事務所でも、契約書作成が必要になるときがあります。そのとき困るのが雛形です。先輩弁理士に聞くと過去の案件を教えてくれますが、もう少し雛形や条項集のようなものが欲しいかなと思います。
書式集のようなもの、本になっているものの他、雛形を提供しているWebサイトもあるようです。
20年ほど前、横浜の会社に転勤になったとき、上司の知財部の課長が10万円以上する知財契約の書式集(日本語契約用)を、ためらいもなく買っていましたが、その気持ちはわかります。
たぶん、これらのリーガルテックの会社は、今は、契約書のレビューが中心ですが、目標としては、クラウド上で、契約書の作成、レビュー、サイン、保管、更改といった一連の流れをサポートするのが目標ではないかと思います。
レビューをすることで、世間に点在する契約書を集め、それを分析して条項毎に整理して使えるようにする機能が構築できます。
一方、顧客との対話で必要な契約書の種類や条項をピックアップして提示する機能が重要で、当面は選択式でやることになりそうですが、将来的には自然言語で契約の趣旨・目的などを入力すると、追加質問があり、質問に答えると雛形に流し込んでくれるようなものがゴールのように思います。
ともあれ、弁護士さんは、リーガルテックに熱心です。
一方、知財の方は、電子出願などは30年ほど前からありますし、技術者が沢山いる割には、明細書作成業務のAI化などに、あまり積極的ではないようです。
システム的なもので、取り掛かりやすい部分が、既に電子出願や知財管理ソフトでガッチリ固めてしまっているためではないかと推測しています。
労働集約的であるのは、弁護士と同じです。発明者ヒアリングや、明細書の素案作成等にAIが使えないかと思います。
就職活動のエントリーシートの評価は、上手い人と下手な人の差が大きく、上手い人の方法をAIでやって成功したと聞きます。
発明の提案書段階の荒ぶるいで活用が可能かもしれません。