従来品は失敗、新型に
2018年4月28日の朝日新聞で、ゾゾタウンが、昨年11月に発表した採寸専用スーツ「ゾゾスーツ」(無料)の生産を中止し、新型の「ゾゾスーツ」を開発したという発表したという記事がありました。
- 社長が決算発表会に新型採寸スーツを着て登場、発表
- 100万件の注文。生産が上手くいかなかったと謝罪
- 従来品は、採寸精度や大量生産に課題
- 新型は、白いマーカーが300~400個ついている
- スマホアプリで、カメラ12回、360度撮影する
コメント
旧型のゾゾスーツのニュースの記憶がかすかにある程度なのですが、「失敗」という文字に反応してしまいました。
一般に大企業の社長は、決算発表会の会場に、採寸スーツを着て登場することもないですし、ましてや、決算発表会で謝罪することもないと思いますので、この点、ゾゾタウン(スタートトゥディ)は、開けっぴろげで、おおらかでいいなと思いました。
あるいは、ゾゾスーツへの期待が高く(100万着の注文)、社長が出て、謝罪しないといけない、そこまで切羽詰まった状況だったのかもしれません。
失敗の原因は、次のサイトにありました。
社長の説明です。
失敗の理由については様々ありますが、一番は電子部品を作ることが難しかった。諦めずに挑戦し続けてきたが、並行して続けていた別の技術の方が可能性があるのではと判断した
また、同じサイトには、
- 旧スーツは一部のユーザーには既に配送
- 所持者には無料で交換対応
- 今期中に新スーツを600万〜1,000万着無料配布する予定
- (現在は、PBのTシャツやジーンズですが)今後は顧客の要望を取り入れたフルオーダーのスーツやワンピースなどの開発も視野
とあります。
通販で服や靴を買ったことがありません。
服が合わなかったら、返品できるとしても、返品が面倒と思ってしまいます。
ゾゾタウンは、送料を含めて、返品に寛容な点がうけているのだと思いますが、返品作業の手間や送料負担などは、同社の経営課題になっていたと思われます。
この点、採寸をしているのであれば、返品はほとんどなくなります。
経営の合理化や顧客の囲い込みの双方を狙った、上手い作戦だったのですが、慣れない電子部品で、失敗してしまったというところだと思います。
しかし、工業製品なら、旧型スーツの電子部品を作るのが難しかったとか、コストが合いませんでしたなど、言い訳としては通用しせん。そもそも、生産の見通しのつかない無理な段階では、発表できません。
ファッション業界は、業界自体も、社会からの取り扱われ方も、寛容なんだなと思いました。
また、11月~4月の注文が、100万ですので、今期中に、新型スーツを600万~1000万着、無料配布するというのも、相当意欲的な数字です。
成長の真っただ中にある会社は、この数字を乗り越えることができるのだろうかと興味をもちました。
これができれば、経営が安定し、中長期的には、ユニクロを越えた会社になるんだろうなと思います。