Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

フリマやオークションでの模倣品販売

主婦の小遣い稼ぎ

2018年6月26日の日経に、フリーマーケット・アプリやインターネットオークションを使っての偽ブランド品の出品が、2017年には4倍の100万件になったという記事がありました。

www.nikkei.com

  • 専業主婦が、LINEで仕入れたクリスチャン・ルブタンの偽物の財布を、ヤフオク!で販売。2年間で、300万円~500万円の稼ぎ
  • 代理出品者を募り、主婦らに偽物を販売させる組織の存在
  • ユニオン・デ・ファブリカンの調べで、2017年の模倣品の認知件数は、100万件
  • 市場規模は、ネットオークションは3569億円(3%アップ)、フリマアプリは4835億円(58%アップ)
  • 対策のしっかりしているメルカリ・ヤフオク!などと、模倣品排除のノウハウのない新規参入したECサイトの違いがある

コメント

ユニオン・デ・ファブリカン調べで、2016年比4倍の100万件の模倣品の認知件数というのは、いったいどのように調べたのか?について、同団体のWebサイトをチェックしましたが、結局、分かりませんでした。

20数万件が、100万件というのは、相当、急激な増加だと思います。

 

数年前から、ネットを中心に、日本にも模倣品が流れてきているという話がありましたが、この数字が事実なら、爆発的に増えているんだなと思います。

 

新聞では、メルカリやヤフオク!の対策が進んでいると紹介がありました。 

  • ブランド品に特化したチームが24時間監視
  • 権利者や鑑定士と情報共有し、模倣品を見抜く力を磨く

nishiny.hatenablog.com

 

コメ兵は、ネットオークションや、フリマアプリのようなC to Cではなく、業者が間に入っているケースですが、だいぶしっかりと模倣品対策をしているようです。

www.komehyo.co.jp

このサイトを見ていると、教育訓練を受けた担当者が、買取り、管理、販売の過程にいて、目を光らせているようです。

データベース等も活用しているようですが、7~8年の経験者が、全社員に偽物研修を実施しているとあります。

一旦、バイヤーが買った商品も、一度、商品センターに集めて、上級バイヤーがチェックするようです。

最新の機器まであります。

  • 金の純度を確かにする貴金属テスターと蛍光X線分析装置
  • 機械式時計の僅かな誤差でも見抜くビブロメーター(精度測定器)
  • パッキンの緩みから偽物を発見する防水試験機

 

ここまでやっていると、少しコストがかかり、フリマアプリの気軽さがなくなりますが、企業として商売するなら、ここまでやるべき、というところでしょうか。

 

日本にも、ネットを中心に、模倣品が出てきてしまっていることと、信頼できる業者の見分け方の周知方や、小遣い稼ぎでも許されないという、一般国民への啓発が重要だと思います。

新聞には、弁護士さんのコメントで、転売者は模倣品と知らなった場合でも、民事責任の可能性が記載されていました。

知っている場合は、ネットオークションやフリマアプリでも、刑事もあるのではないかと思います。刑事責任もあるとなると、慎重になるのではないでしょうか。

 

ユニオン・デ・ファブリカンの報告書に、模倣品対策のしっかりしていないサイトがあるとあったのですが、名前が出ていませんでした。