4割削減して選択と集中
2018年7月11日の日経に、花王がグループで約50ある化粧品ブランドを2021年までに4割減らし約30にするという記事がありました。
- SENSAIやKATEなど11のグローバル重点ブランドに投資を集中
- DADAやラファイエなどは廃止
- 花王は5月に新成長戦略を発表
- グローバルブランドと、エビータなどリージョナルブランドを区分
- カウンセリングとセルフに再編
- 1月に、カネボウ化粧品との統合プロセスが、12年かけて完了
- 販売会社や販促機能の集約
- これを機にブランドの集中と選択
コメント
花王の化粧品事業の新グローバルポートフォリオの説明が、花王のWebサイトにありました。
記事にあるように、グローバルに展開するもの(G11)と、リージョナルに展開するもの(R8)に分けるようです。
カウンセリングとセルフの再編は、国内の話のようです。これに合わせて、チャネル別ブランド戦略も見直すとあり、従来の“チャネルありき”のブランド配置戦略から、お客さまの選び方、買い方に合わせた“お客さまありき”のブランド配置に順次転換していくとあります。
こかは、最後にちょと記載があるのですが、重要なポイントなんだと思います。
鐘紡が、経営破たんして、カネボウの化粧品事業は花王傘下になり、トイレタリーはクラシエとなりました(ホーユーの傘下のようです)。
花王にも、ソフィーナなど有力な化粧品事業があったので、統合も単純ではなく、整理に12年もかかったのだと思います。
花王はもともと、P&Gなどと同様に、コーポレートブランド重視というよりは、商品ブランド(アタックやビオレのような)を重視していますので、化粧品も、カネボウや花王というコーポレートブランドよりは、KATEやソフィーナという個別ブランドを中心に構成するのは、花王にとっては素直なところなのだと思います。
昔とちがい、化粧品店も、系列というのが薄れているのでしょうから、色んな商品ブランドを受け入れる素地はできているのかもしれません。
現在、企業としてのカネボウ化粧品のコーポレートブランドとして使われている「Kanebo」ブランドは、商品ブランドとしての全部大文字の「KANABO」があるので、ややこしいのですが、だいぶ後ろに下がっているという感じです。
なんとなく、Kaneboのブランドは、もっと上手く活用しないと損な感じがしました。
化粧品事業を全部、カネボウ化粧品側に統合して、ソフィーナもカネボウ化粧品の商品としてしまい、Kaneboを「SHISEIDO」のように活用するぐらいでも、自然なように思います。
化粧品でも、コーポレートブランドは効くと思います。花王/Kaoを、化粧品事業のブランドにするよりも、Kaneboの活用を考えた方が、自然な感じです。
白斑事件があり、カネボウから、花王にコーポレートブランドを変更する方法もありえたのですが、そうもなっていません。
Kaneboは、大枚をはたいたブランドであり、簡単には切り替えできなかっただけなのか、あるいは、Kaneboには、SHISEIDOやロレアルなようなブランド価値があると言う判断でしょうか。
このあたりは、気になるところです。
ちなみに、花王のWebサイトを見ていて、すごく面白いページがありました。
まあ、リンク集なのですが、商品ブランドを軸に、展開国を明示した一覧です。どの商品ブランドが、どの国で販売されているのか、一目瞭然です。