東芝のロゴから削除
2018年7月26日の日経に、東芝が、leading innovationの部分を削除するという記事がありました。
- 10月に会社のロゴから「Leading Inovation」の部分を削除
- Leading Inovationは、2006年から使用
- 次々とイノベーションの波を起こし、新しい価値を創造し続けるという意味
- イノベーションは、拡大路線を進めるために社内で頻繁に使用した表現
- 過剰な業績要求が不正を招いた過去に決別
- ロゴを刷新することで、「新生東芝」を印象付ける
とあります。
コメント
新聞記事には、ロゴの刷新とあるので、TOSHIBAロゴ自体を変えるのかというと、そこまではなく、単にLeading Inovationの削除です。
ブランドのタグライン/スローガンが変わることは、どの会社でも、数年に一度程度はあることです。その意味で、タグラインの変更自体、特に、驚くほどのことはありません。
しかし、日経がいうように、東芝の場合は、過去の東芝と決別し、イメージを刷新するという効果もあるのだと思います。
特に、不正会計で引責辞任した歴代3社長が、イノベーションという言葉を使って拡大路線を走ったということですので、その過去と決別するには、このタグラインの削除は、必要なことなのだと思います。
この東芝のLeading Inovationですが、通常のタグラインに比べると、積極的に使用されています。
通常、タグラインは、販促関係(新聞・雑誌広告、カタログ、パンフレット、Webサイトなど)で使用されて、製品本体や製品パッケージには入れないことが多いのですが、東芝はパッケージに使っています。
これは、ある意味、ブランドロゴと同じです。Leading Inovationを止めるとなると、パッケージを変える必要が出てきます。これは大変な作業量です。
変更作業を恐れて、通常は、販促関係に限定使用していると言っても良いのかもしれません。
当時の経営陣の思いが相当入った、タグラインだったのだと思います。
さて、東芝の場合ですが、イメージを変えるためという面もありますが、タグラインの廃止には、別の意味もありそうです。
東芝本体に残ったは、重電と社会公共システムであり、白物は美的で、テレビはハイセンス、パソコンはシャープに行ってしまい、これらに、企業の思いの入った共通のタグラインは無理だと思います。タグラインなしのTOSHIBAブランドで行くしかないと思います。
反対に、他社にハウスマークをライセンスするときは、TOSHIBAブランドのイメージが散らばらないように、美的やハイセンス、シャープに対して、タグラインやスローガンはつけるなと、契約しておく必要がありそうです。
皆がバラバラのタグラインをつけたら大変です。
家電やパソコンの方が、露出度は高いので、ここでタグラインを使ってBtoB事業を引っ張っていくのが通常ですが、重電や社会公共システムだけにタグラインをつけても、露出度が少ないので、あまり効果はなさそうです。