重ねの色目
2018年8月18日の日経に、東京五輪・パラリンピックのユニフォーム、競技場内の装飾、チケットなどに用いる、コアグラフィックスを公表したという記事があります。
- 市松模様の大会エンブレムを構成する3種類の四角形を組み合わせた
- カラーは、日本の伝統色の5色
- 藍と紅が基本。それに、桜、藤、松葉
- 水泳は水を想起する藍などと競技で使い分け
- 同系色の6色を組み合わせた「かさねの色目」という手法を採用
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会のWebサイトに詳しく紹介がされています。
コメント
組織委員会のサイトを見ていただくとよくわかります。いい意味で「しぶい」感じです。他国のオリンピックでは、もっとビビッドな色使いだったように記憶していますので、この色づかいは日本をイメージさせます。
重ねの色目が、この色づかいを、さらに「しぶい」ものにしています。
2020年の東京オリピック・パラリンピックの年が、今年の夏のように暑くるなるのかは分かりませんが、酷暑の夏にビビッドな色使いよりも、「しぶい」日本の色づかいは、案外マッチしていて、かえって日本の強烈な印象が残るような気がします。
重ねの色目ですが、コトバンクには、次のように説明があります。
襲の色目とも書く。平安時代に衣の表裏や,衣2枚以上重ねた際の色の配合をいう。男女の装束や料紙を何枚か重ねることによって季節感と色構成の美しさを表現する。
今回は、同系色でまとめたようですが、本来の「重ねの色目」は同系色の重ねだけではないようです。白と青とか、黄と青など重ねて楽しむようです。
TOKYO 2020の文字や、大会エンブレムのエレメントは、差し色で、金か銀となっています。金銀を組み合わせても、やはり「しぶい」感じです。
日本の自然、空港や宿泊施設のデザイン、道路のデザイン、街の風景、競技場のデザイン、大会のエンブレム、今回の伝統色の5色と重ねのデザイン、などが、オリンピックと日本のイメージとなります。
総合的によく考えられているんだろうなあと思います。
大会エンブレムも日本的でしぶいデザインなので、全体が日本的なデザインの中で、ちょっとマスコットだけが未来感中心で、異質なような気もしますが、それも含めて全体が、日本を象徴的に表すんだろうと思いました。