10%か、8%のままか
2018年10月5日の日経に、来年10月1日から実施される消費税増税と同時に実施される軽減税率に関して、コンビニの店内のイートインスペースでの飲食を禁止するという話が出ていました。
新聞記事だけでは、はしおって書かれているので、すこし分かり難いのですが、
前提として、現在の国税庁のQ&Aでは、コンビニでイートインスペースがあるときは、顧客に持ち帰りか、イートインスペースで食べるかを確認して、持ち帰りなら消費税は8%で、イートインスペースなら10%とするというように、顧客の意思を確認するという話になっています。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/03.pdf
今回の話は、一律8%にするには、どうするかという話で、財務省はイートインスペースに張り紙などで「飲食禁止」と明示して休憩所として使い、そこで飲食しないのであればイートインスペースとしては扱わず、8%にする方針ということのようです。
しかし、大手コンビニの幹部は、軽減税率にしてもらうために、イートインスペースを飲食禁止にするのは、本末転倒であり今後も飲食可能とすると述べています。
このように、多くのコンビニでは、休憩所にせずイートインスペースを継続するようです。これにより、店内確認が必要になり、2つの税率が適用されます。
背景に、外食産業はイートインスペースが休憩コーナーと位置付けられ、8%となることへの不公平感があるためとしています。(ちなみに、飲食店は10%ですが、そのテイクアウトは8%の軽減税率になるようです)
ちなみに、
先ほどの、国税庁のQ&Aは、色んな場合を想定しており、面白いと思いました。
Q38 社員食堂は?
A 「食事の提供」になり、10%
Q39 セルフサービスの飲食店は?
A テーブル、椅子、カウンターなど飲食設備があるなら、「食事の提供」であり10%
Q40 屋台は?
テーブル、椅子があれば10%。テーブル椅子がない、あるいは、公園のベンチなら8%。
Q41 コンビニのイートインスペースは?
弁当などの持ち帰りは8%。イートインコーナーは、顧客に意思確認を行い、イートインスペースで飲食する場合は10%。
ほとんどが持ち帰りの場合は、イートインコーナーを利用する場合はお申し出くださいという提示で良いとあります。
(たぶん、このあたりがもめており、飲食禁止と張り紙がある場合は8%であり、それ以外は、意思確認が必要と明確にするのだと思います。既に、コンビニではお酒などの販売でレジで年齢確認ができますので、これを使えば、意思確認はできそうです。)
Q42 ファストフードのテイクアウト
A 飲食設備のある場所での提供ではないので8%(マクドナルドやスタバでは、店内利用かテイクアウトで、対価が異なることになります。ただし、税率一本化=店内も、持ち帰りも、統一する方法もあるようです。店内は安く、持ち帰りは高くなります。)
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Q48 公園のベンチでも飲食
A 飲食設備ではなく8%
Q49 列車の移動ワゴンでの駅弁や飲料の販売
A 原則的には8%。食堂車は10%
Q51 映画館の売店
A 8%
Q57 そばの出前、宅配ピザ
A 飲食料品の譲渡であり、食事の提供でなく、8%
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他にも、一杯事例を紹介しています。
このQ&Aを考えるのは、大変だったろうなと思います。非常に良い、頭の体操になります。
軽減税率など導入するからこんなことになるという、担当者の嘆きが聞こえてきそうです。