Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

マンシングウェアの商標権

一社集約を中止

以前、このブログで紹介した件ですが、動きがあったようです。

マンシングウェアの商標権は、現在、伊藤忠東洋紡デサントの3社共有になっているのを、デサントに一社集約するということで、デサントからリリースがされていたのですが、結局、中止となったというものです。デサントから中止のリリースが出ています。

http://www.descente.co.jp/jp/ir/181214MSW.pdf

 

nishiny.hatenablog.com

とあります。

 

コメント

デサント伊藤忠には、過去から深い関係があるようです。

 

詳細は、2018年11月26日のBusiness Journalに詳しく出ています。

伊藤忠・岡藤会長、デサント恫喝騒動の真相…株価下落時にTOB強行か | ビジネスジャーナル

もともと、デサントが経営不振になったときに、伊藤忠が支援した関係があり、現在では、伊藤忠デサントの株式の29.9%を保有している大株主ということです。

 

デサントには、伊藤忠から社長が派遣されていたところ、創業家の社長が返り咲き、韓国事業の好調で業績は良いようです。デサントは、伊藤忠のコントロールを嫌っているようであり、ワコールと提携したり、独自の動きがあるので、伊藤忠としては面白くなく、トップ会談で詰め寄ったところ、会議のテープが流出する等の問題になり、関係が悪化しているとあります。

 

ハッキリは分かりませんが、今回のマンシングウェアの一社集約の中止も、このようなことが影響しているような感じがします。

 

消費者の目線に触れ、表にでてくるブランドの話しとは違う、企業の裏側の話です。

人間くさい話ですが、欧州のラグジュアリブランドでよくあるように、ファッションブランドには、他の産業に比べて、人間くさい話が多いように思います。

創業者がデザイナー自身であったり、デザインなり、広告なり、人の感性が重要な事業であるため、人にまつわる話が多く出てくるのかなぁと思います。

 

ファッションにも、論理や技術で語る分野もあるだろうとは思いますが、こういう人間くさい話も、ファッションらしいなと思います。

 

ただ、いえるのは、経営陣がこの種の話に大事な時間を取るということは、商品開発等に割く時間が減るということです。

その間にも、ライバルに追い抜かれることを覚悟していなければなりません。