朝日新聞のまとめ記事
2019年1月26日の朝日新聞に、そごう・西武の、顔にパイを投げつけられた広告についてのの各種の意見をまとめた記事がありました。
代表的な意見は、
- 支持の声もあったが、批判も目立った
- 女だから、強制される→財務省のセクハラ問題を想起
- 女だから、減点される→医大の不正入試を想起
- クリームパイが英語の隠語で性的な行為を意味という批判
- 最後の「わたしは、私」→男女差別の社会構造を無視して、個人の問題に矮小化
- 制作側の意図は「社会における様々な制約に負けず、自身の意思を通し奮闘する女性を表現」「女性を応援したいという思い」
- 「表現に直感的に不快→おわびする」
- 識者は、「パイがぶつけられる絵柄があまりにインパクトが強く、不快感を覚えた人が多かった」
- パイを投げつける側への問題提起が必要だったのでは
というような内容です。
コメント
この記事は、取材をされ、多面的に分析しているなと思いました。
そごう・西武は、表現に不快感を持たれた方にお詫びをしますということですが、今でも、Webサイトには掲載されているようです。
表現が適切だったかという点はありますが、撤回するほどではないという会社の判断ですし、背景には、社会的にもそれほどの強い批判になっていないということなのだと思います。
絵のインパクトが強かったというのは、その通りです。これが直接的に批判の原因になりそうです。
また、社会問題があるのに、最後の「わたしは、私」が問題を矮小化しているという批判は、そう考えることもできると思いました。
この「わたしは、私」は、数年前から継続して使っているワードなので、これを外すことはできないのですが、絵やコピーと合っていないものを、最後に無理からつなげた感はあると思いました。
クリームパイが隠語で性的な意味があるというのは、知りませんでした。ネイティブでもない限り、分かる人は少ないのではないかと思います。
このあたりのチェックをしようとすると、広告の原稿の段階などで、ネイティブに聞く必要がありますが、日本にいる外国人は、何も英語使用国だけではありませんので、多くの国の人の意見を聞く必要性がでてきます。
日本向けの広告ですので、日本の一般人がどう感じるかを中心にするしかなく、そこまでチェックするように要請するのは、難しいのではないか?という感じがします。
グローバルネーミングの場合は、各国の商標代理人が、不適切な意味があると言ってくれますが、国内ネーミングの場合は、日本語ですので、依頼部門なり、商標担当者の常識が重要になるところです。
クリームパイの隠語的な意味までは、考えなくて良いかなと思いました。