Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

レノボPC事業とMotorola携帯

Motorola携帯はレノボ傘下

2019年2月22日の日経で、レノボのPC事業が落穂ひろいで堅調という記事を見ました。

www.nikkei.com

記事の内容は、次のようなものです。

  • レノボ・グループがM&Aや出資による「落穂ひろい」で収益力を回復
  • 2012年3月期にNECのパソコン事業を統合し、独メディオンを買収
  • 2018年3月期に富士通のパソコン事業統合
  • シェアを積み重ねた
  • PC市場縮小は、2017年比0.4%で緩やか
  • 軽量薄型モデル、ワークステーション、ゲーム用が成長分野

また、2014年に米グーグルから買収した、モトローラの携帯事業の話がセットで、出ています。

  • 市場縮小は、4%減(急成長の反動)
  • 苦戦が続いたが、2018年10月~12月に黒字に
  • モトローラ」ブランドの知名度が高い中南米、北米の販売に注力。中南米2位、北米では40%成長

とあります。

 

コメント

IBMのノートPC事業を買収したときは、数年間のIBM商標の使用権と、ThinkPad商標の譲渡を受け、教科書通りのM&A、ブランド切り替えだと思ったのですが、その後のNEC富士通では、企業としてマジョリティを握るものの、ブランド(商標)や営業は、もともとのNEC富士通を活用し、IBMのときとは、違った方針を取っています。

なんでもLenovoにする、Lenovoブランドの認知を高める、という考え方ではなくなっています。

 

ブランドの認知や、あまりこの言葉自体がないのですが「ブランドとしてのシェア」よりも、市場シェアを取る作戦です。

これはこれで、経営戦略としては、教科書通りです。

 

さて、モトローラの携帯事業が、レノボの傘下に入っていることは知りませんでした。PC以外の事業に拡大するためのようですが、携帯は苦戦していたようです。

記事では、Motorolaのブランドで、中南米・北米で復活しているようです。

さすが、Motorolaブランドです。

 

ここでも、携帯のブランドをLenovoに切り替えるという作戦は取っていません。おそらく、中身がMotorolaの技術で出来た製品であっても、携帯でLenovoブランドでは、事業はできないと思います。

 

IBMのPC事業の買収のときは、IBMのPC事業の信用を、Lenovoに上手く移行させることができたのではないかと思いますし、Lenovoでは無理なものは無理と、スパッと割り切る点など、非常に合理的に、上手く経営しているなという感じがします。

なお、Lenovoの社長兼COOは、ジャンフランコ・ランチ社長とあり、中国人ではありません。

 

Motorolaは、Lenovo傘下の携帯事業(Motorola Mobility)と、政府部門(Motorola Solutiions)に分かれているようです。

Motorolaの商標権がどうなっているのかと思ったら、Global Brand Databaseによると、Motorola Trademark Honldings、LLCとい会社が名義人(権利者)でした。

どうも、Motorola Molbilityの傘下のようです。

 

Motorolaのロゴの下には、Lenovoのグループであることの表示がありました。