インドの合弁事業
2019年3月1日の日経に、セブンイレブンのインド進出の記事がありました。
内容は、
- セブンイレブンが、2019年中に「セブンイレブン」を現地企業と組んで進出
- 米子会社のセブン-イレブン・インクが、インドの小売り大手のフューチャー・グループ系の企業とフランチャイズ契約
- 1号店はムンバイ
- インドには、「24セブン」というコンビニがあるが、ニューデリーとその近郊
- 2016年に無印良品が進出。2019年中にユニクロがニューデリーに
- 外資規制が厳しい。無印良品やユニクロは、単一ブランドなので単独資本で進出可能
- イオンのような複数ブランド企業は外資の出資比率が51%まで
- ウォルマートは、外資規制比率の緩い「卸売業」で、会員制の卸売店という形態
コメント
スズキ自動車のマルチスズキは、インドで成功していますが、日本のメーカーのインド進出は色々と難しいというイメージがありました。
しかし、無印、ユニクロといったSPAから進出して、今度はセブンイレブンということで、インドも他の国に近くなったんだなあと思いました。
Googleを検索したら、次のブログを見つけました。
セブンイレブンのインド進出はうまくいくの?〜インドのコンビニ事情〜 vol.497 | KayoreenaのIndia Blog
インドで働いたことのある若い女性のブログで、日本でインド進出のコンサルをしているとあります。
ここに、外資規制の説明がありました。
例えば単一ブランドを扱う小売業(無印とか)に関しては2018年2月の改定により、自動承認による出資が49%から100%(つまり自分たちだけで進出可能)認められることとなりました。
また、51%以上の出資が行われる場合、販売する製品価値の30%はインド国内で調達しなければならないという義務が課せられていましたが、改定によりインドでの小売業開始から5年間は、義務の適用が当該5年間の平均値へと調整可能に。
ただ総合(複数ブランド)小売業に関しては、まだ出資比率が51%の制限がある(つまり現地にパートナーが必要)ため、今回セブンイレブンはフューチャー・グループ系の企業とフランチャイズ契約を結び連携したと考えられます。
非常に面白いブログです。
さて、気になったのは、3点です。
1つ目は、セブン-イレブンの商標権は、日本はセブン-イレブン・ジャパンが名義人ですが、海外は米国のセブン-イレブン・インクが権利者という点です。これは、メリットとデメリットがあります。
メリットは、アメリカ企業ですので、ビジネスライクに仕事をするので、ライセンスビジネスには向いています。デメリットは、日本にライセンス収入が直接入らないことです。実際の事業の支援は、日本のセブン-イレブン・ジャパンが行いますので、3者契約が必要になり、面倒です。
2つ目は、フランチャイズ契約という点です。普通は、本格進出するなら、合弁であり、先ほどのインドについてのブログにも、2011年にローソンが合弁契約をフューチャーグループとしたが、結局、進んでいないという記事はありますが、通常なら、合弁です。
国境をまたいだ、フランチャイズというのは、聞いたことがないなというのが印象です。どう運営するのかなぁという感想です。
3つ目は、ニューデリーの「24セブン」の別企業の名称です。今からは、難しいのだと思いますが、セブンはセブン-イレブンを連想します。
24は24時間営業で、それは日本のセブン-イレブンが打ち立てたコンセプトです。
また、セブンイレブンは、もともと、朝7時から夜11時まで、親子で経営するというビジネスモデルとして有名ですが、コンビニで「セブン」というと「セブンイレブン」です。
それをくっ付けただけの名称ですので、bad faithを疑いたくなります。
先使用主義なので、仕方なかったのだとは思いますが、米セブン-イレブン・インクが商標管理をしているので、放置してしまったというのでは、どうかなという気がします。
商品ではなく、小売業がこれだけグローバル化するなど、以前は思いもしませんでした。