コメ兵ネタが面白い
2019年3月17日の日経電子版にあった、「コメ兵の袋はずかしい」 4代目を奮起させた言葉 という記事と、
「コメ兵の袋はずかしい」 4代目を奮起させた言葉 :日本経済新聞
2019年3月29日の日経電子版の「ルイ・ヴィトン」を鑑定するAI コメ兵が4月導入へ という2つの記事を読みました。
「ルイ・ヴィトン」を鑑定するAI コメ兵が4月導入へ :日本経済新聞
2つのコメ兵の話です。
はじめの記事は、
- コメ兵は40店舗、500億円の売上
- 高級品のリユース企業としてメルカリにも、影響を受けていない
- リユースの市場規模は1兆7000億円で、メルカリなどのネットによる個人間取引が5000億円
- ブランド品に限ると市場は2400億円。コメ兵は12%でトップシェア
- 名古屋が本店
- 社長はヨドバシカメラで勤務経験
- 中古屋から、リユースデパートへ
- 名古屋の年間140万点を買い取る商品センター
- 300人の鑑定士
- リーマンショックと爆買い終了(チャイナショック)の2つの危機
- 10万円前後の商品を購入する国内顧客重視へ転換
後の記事は、
- AIがブランド品の真贋判定するシステムを開発中
- 従来は、鑑定士がルーペを使って目視で確認、真贋を判定
- 5分程度かかっている真贋判定を数秒に短縮
- 商品全体写真で型番を判定
- マイクロスコープを使って縫い目など複数箇所の画像
- グレーの商品は、鑑定士が確認し、最終判断
- 日本で偽ブランド品流通が急増し、巧妙さが高まっている
- 鑑定士の育成は、時間がかかる
- 海外展開時に、日本と同様の鑑定士育成をすれば、情報や技術の流出リスク
- AIの真贋判定では、本物と偽物とを正確に教え込む必要
- コメ兵には、鑑定士と大量のデータがある
となっています。
コメント
中古や、ブランドや、模倣品や、AIといった、商標業界で話題になるものが詰まった企業なので、面白いと思いました。
- メルカリに影響を受けていないこと
メリカリなどでは専門の鑑定士などがいないので、信ぴょう性に欠けるところがあるのだと思います。
- 名古屋企業であること
名古屋自体がトヨタなどのおかげで伸びているので、有利なのではないでしょうか。
- リユースをブランド化しようとしていること
今までなかった新しいカテゴリーを作っていることにつながり、ブランド戦略として的を得たものだと思います。
- 真贋鑑定にAIを導入していること
真贋判定とAIは、親和性が高いと思います。AIを導入するのは、理にかなっています。
- AIを導入することで、スピードアップと海外展開が可能となってくること
AIでスピードアップは、そうだろうと思いますが、海外展開が可能になるという点は、非常に面白い点です。
あと、中古品の問題では、中古業者が、ブランドや商標を使っている場合に、不使用取消の使用証拠とできるのか?という論点があります。
メーカーとしては、ずっと前に、終了している製品でも、に、中古市場では、売れ筋の商品として残っており、そのブランドや商標が広告などに記載されていることがあります。
しかし、当該中古業者に、正規のライセンスはされていません(黙示の許諾とするには、中古店は不特定多数です)。
日本車の場合、カーメーカーの子会社が、中古車販売もやっているので、あまり問題になりませんが、時計メーカー、装飾品メーカー等には、そのような子会社はありません。
消費者に認知されているという意味では、保護しても良さそうですし、商標選択の余地を狭め、自由競争を阻害するという意味では、あまり広く認めるべきではないという意見になります。
消費者に認知されている限り、メーカーも権利維持だけはするでしょうし、第三者が横取りしても、いらない問題を起こすだけですので、現実には争いがないのかもしれませんが、論点は論点です。
明確な判断は、あまり聞いたことがありません。
コメ兵って良く聞くけど、行ったことがありません。新宿や銀座に店舗があるようですので、機会があれば行ってみたいと思います。