日本の商標出願、中国の商標登録、商号、社名数
2019年4月1日からは、新元号が「令和」に決まったというニュースで持ち切りです。覚えておこうと思ったのは、
- 「れいわ」と読むこと
- ローマ字では「REIWA」となること
- ネーミングの由来が万葉集からであること(意味内容には、相当議論があるようです)
- 英語で説明するときにBBCが説明した”Order and Harmony"ではなく、外務省のいう"Beautiful Harmony”と説明するということ
- 和暦から西暦の計算には、018(れいわ)を足せば簡単なこと
などです。話題の宝庫です。
また、商標や商号などに関係する話題もあるので、まとめておこうと思います。
1.商標
商標としては、新元号の「令和」自体は登録できません。すべての元号が登録できないように商標審査基準も改正されています。
ほとんど知られていない元号もあるので、ちょっとやり過ぎな感じもしますが、ほとんど知られていない元号は価値も低いので、問題にはならないというところでしょうか。
また、「令和」には、既存の商標登録にもないということです。ただ、「令和」を一部に含んだ商標は、登録される可能性はあります。「令和」の部分以外に識別力のある言葉があったり、図形があったりする場合です。
J-Plat Patで、「?平成?」と、検索する(商標出願・登録情報)と、132件出てきます。例えば、
- 平成蔵
- 平成の昔
- 平成庵
- 平成美人
などです。平成を令和に置き換えれたようなものが出てくるのではないでしょうか。
ちなみに、昭和で同じ検索をすると353件、大正は223件、明治は420件、慶応は8件、元禄は65件、大化は8件です。
昭和では、「昭和電工」「昭和産業」という企業名の商標がありました。「電工」「産業」などを付けただけで、商標を一連として観念しにくいネーミングは、審査では厳しく使用による顕著性が要求されるのではないでしょうか。
2.中国の商標登録
中国では、アルコール類で、既に「令和」の商標登録があるようです。これは、2017年の出願で、2018年10月に登録されているということです。
「令和」中国で昨年に商標登録 10月、アルコール類 - 毎日新聞
権利者の出願や登録が先ですので、問題にはなりません。また、中国では、有名な日本の地域名は拒絶理由になったりしていますが、他国の元号は拒絶理由でもない(運用は不明ですが)ですので、今後も登録はあり得ます。
既に、3日ほど経ちましたので、「令和」の出願が出されたかもしれません。
仮に、他人が権利がある場合に、賞味期限などに、「令和〇年〇月〇日」と使用した場合に、問題になるかは論点です。通常は、輸出商品なら、期限などの表示は、西暦だと思いますが。
3.商号
商標と異なり、商号については、禁止規定がないようですので、これからしばらくは、「令和」の入った商号が多数出てくると思われます。
4.過去の元号を含んだ会社数
東京商工リサーチのWebサイトで、「我が社は『平成』全国で1,270社」というページがあります。
同社のデータベースから割り出したようです。
- 平成は、1,270件
- 昭和が、2,640件
- 大正が、435件
- 明治が、764件、です。
平成という企業は、平成1桁年代に大半が設立されているとあります。
明治や大正はだいぶ前なので、既に廃業したり、社名変更したりしている会社もあると思いますが、昭和と平成を比較すると、期間の長かった昭和の数が多いなという感じです。