業務委託か、従業員か
2019年4月14日の日経で、ウーバーが、世界中で、運転手から、雇用関係があることを認めるよう求める訴訟を起こされているという記事がありました。
運転手は従業員か ウーバー、事業モデル崩れるリスク (写真=ロイター) :日本経済新聞
- 上場申請書の中で明らかに
- 同じ課題は、米ライドシャア2位のリフトにも
- ウーバーには、世界700超の都市で、約390万人の運転手が働いている
- ウーバーは、雇用関係ではなく、旅客の運送や配達業務を委託しているという立場
- しかし、英国では雇用審判所の訴訟で、運転手は自営業者ではなく労働者と認定
- フランス最高裁も「従属関係にある」と雇用関係を示唆する判断
- ウーバーによると、6万人を超える運転手が仲裁を求める意向
コメント
390万人もいるのか?という点と、6万人も仲裁を求めているのか?という点が驚きです。約1.5%です。
しかし、6万人分の仲裁案件となると、ウーバー側としても、裁判対応などの業務量が大変です。
この話は、以前からあったようです。
まず、カリフォルニアとマサチューセッツの2州では、和解しています。ウーバーは、1億ドルを支払ってまでも、従業員ではなく、請負事業者とすることに拘ったようです。
Uber strikes $100M class-action settlement to keep drivers independent contractors – TechCrunch
その後、それ以外のすべての州で、全運転手(元運転手)からの集団訴訟となっているとあります。
Uber、全米規模の集団訴訟を起こされる | TechCrunch Japan
しかし、米国では、従業員でないという整理が出来ても、他国では上手くいかないようです。
●イギリスの雇用審判所の裁判は、下記に詳しく紹介されています。
雇用審判所、ウーバーのドライバーを労働者と認める判決(イギリス:2016年11月)|労働政策研究・研修機構(JILPT)
●欧州では、ウーバー自体が、情報産業ではなく、運送業と判断されたようです。
「ウーバーは運輸会社」EU司法裁、規制適用を認定 :日本経済新聞
同じ物事でも、色んな見方ご可能です。
英国と米国ですので、法体系も近いものがあるのに、違った判断がでるんだなと思いました。アメリカは、和解ですので、裁判所の判断が出たわけではないですが。
ウーバーの活動範囲は、世界中に広まっていますので、今後、世界中で判断が出てきそうです。
どんどん世界中で判断が出てきて、それが、やがて収斂していくのだと思いますが、相当時間がかかりそうです。