Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

24時間営業のFC契約

本部の一方的拒否は、独禁法違反?

 

2019年4月25日の日経で、ミニストップが、24時間営業を柔軟にし、利益配分率も見直すという記事がありました。

 

今の時代に合わなくなっている点を見直し、本部と加盟店が納得する平等な関係を構築し、公平な利益分配を目指すとあります。

 

独禁法との関係では、加盟店が24時間営業の見直しを求めたときに、一方的に拒否すれば、独禁法違反のおそれがあるという、公取の事務総長のコメントが紹介されています。

 

FC契約とブランドの問題が紹介されており、本部はブランドをオーナーに許諾し、品揃えや価格などで、オーナーがブランド力を損ねていないのかをチェックし、指導・助言する権利があるとあります。

 

しかし、行きすぎた指導・助言は、独禁法上の問題になります。例えば、弁当の値下げ販売の禁止で、FC契約の解除をちらつかせた場合に、独禁法違反になった例があるとのことです。

 

コメント

記事にある、ロイヤリティが、売上高利益の4割超という数字は驚きました。

それはさておき、コンビニは、ブランド力(=商標力)維持を理由として、各コンビニの運営に対するコントロールが徹底しています。

 

米国流の考えでは、商標ライセンスの際、品質管理(Quality Control)が必要になります。Quality Controlしない場合は、ライセンスではなく、商標権自体が無効になります。

 

しかし、行きすぎた、Quality Controlは、独禁法の問題が生じます。必要以上の情報収集なども、問題とされます。

 

コンビニ側としては、小売業としてのコンビニのブランド力の維持のためには、

・24時間営業をする

・消費期限の切れたものは売らない

・値下げはしない

・商品は切らさない

・売上高のレポート

などが必要と主張すると思いますが、本当にブランド力を維持するために、必要なQuality Controlかどうかは、簡単にはわかりません。

 

本部の設定した、品質コントロールの基準を、本部は徹底しようとしますし、加盟店は厳し過ぎたコントロールであるとして、対立になります。

 

採算が取れている加盟店は、あまり本部と争わないと思いますので、争いが顕在化するのは、採算ラインが、ギリギリの加盟店ではないかと思います。

 

加盟店も、嫌なら別の商売にでもくら替えすれば良いのですが、なかなかそうも、いきません。

 

商標ライセンスによる品質コントロールは、どこまで許されるのかは、商標ライセンスの重要テーマですが、コンビニは話題、ネタの宝庫だなと思います。