Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

花王のESG戦略

Kirei Lifestyle Plan

「きれいを、こころに。未来に」

 

2019年4月22日に、花王がESG戦略「Kirei Liestyle Plan」を発表しています。

花王 | 花王、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」を発表

イメージビデオ、「花王統合レポート 2019」などが、発信されています。

事業の持続的成長と持続的な社会の実現のために、ESG活動を重視するとあります。

そのために、ESG指定での「よきモノづくり」を本格化するためESG部門を立ち上げ、プラスチック包装容器宣言をまとめたとあります。

 

花王では、消費者ニーズが高まっている持続可能な暮らしを「Kirei Lifestyle」とし、それを実現するためESG戦略として「Kirei Lifestyle Plan」を立ち上げたそうです。

「きれい」という言葉は、「美しさ」「清潔」という意味だけでなく、こころの状態や生きる姿勢もあらわしており、自分自身に加えて、社会の「きれい」につながっていくとします。

 

「Kirei Lifestyle Plan」は、国連の開発目標SDGsにも応えるものであり、具体的目標もしては、ユニバーサルプロダクトデザインや、インパクトのある製品を10件以上、革新的なフィルム包装容器を年間3億個普及などとしています。

 

コメント

花王のビジネスコンダクトガイドラインが、良くできているなと思っていましたが、ESGでも、日本企業の最先端のようです。 

nishiny.hatenablog.com

 

ESGやSDGsの内容を十分理解できている訳ではないのですが、

 

ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字をとったもので、企業の長期的な成長のためのもので、ESGの観点が薄い企業は、大きなリスクを抱えた企業で、長期的な成長ができないとされ、投資の尺度ともなっています(ESG投資)。

 

ESG(環境・社会・ガバナンス)・ESG投資とは・意味 | Sustainable Japan

 

一方、SDGsは、2015年に国連で採択された「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」を指します。

SDGs(エスディージーズ)とは?17の目標を事例とともに徹底解説 | 一般社団法人イマココラボ

 

花王は、この二つに配慮して経営をしているということなのだと思います。

 

花王統合レポート 2019」を見ると、取締役会の直下で、経営会議の上に、このESG委員会が、内部統制委員会と並んで設置されています。

このあたり、本気度がうかがえます。

 

さて、気になったのは、「Kirei」という言葉です。花王も、傘下のカネボウも化粧品があるので、「Kirei」という言葉には、縁は深いのですが、あえてこの言葉を選んだのだろうと思います。

 

個人的には、「Kirei」は、資生堂を想起する言葉でした。ただ、「Kirei」は、当然、独占出来る言葉ではありません。

 

花王の独自性は、「Kirei Lifestyle」というように、「Lifestyle」という言葉を追加して、表面的なものではなく、生活や生き方そのものを「キレイ」にしようという意図だと思いますが、キャッチ-で、良い言葉の選択ではないかと思いました。

 

40年ほど前の話のようであり、少し古いですが、花王やライオンというと、琵琶湖の合成洗剤の使用禁止を思い出します。

合成洗剤が琵琶湖の富栄養化になり、赤潮の原因となっており、石鹸に変えようという滋賀県全体の運動です。

https://www.live-science.com/bekkan/intro/fueiyou.html

 

また、花王にはカネボウの白斑問題があります。

カネボウ白斑問題とは - コトバンク

大きな事件を経験していることが、これらの取り組みを促進する原因の一つではないかと思いました。

 

話は元にもどりますが、ESGやSDGsを徹底すると、ネスレのコーヒーの木の植林にも行く着くようです。

ネスレは、CSVと云っていますが、同じようなものですね。 

nishiny.hatenablog.com

 

ESGやSDGsの世界は、結果が厳しく見られそうですので、流麗な言葉よりも、実績という気はします。