Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

平成の数字振り返り

大学進学率、訪日外国人客、交通事故死者など

2019年4月30日の朝日新聞夕刊に、数字で平成の30年を振り返るという記事がありました。1989年と2018年を比較しているようです。 

1.大学進学率 24.7%→53.3%

  • 18歳人口は、193万人から118万人に減ったが、大学生は、207万人から291万人に増加
  • 規制緩和で、大学が499校から、782校に増加
  • 短大は584校から331校に減少

2.訪日外国人 283万人→3119万人

  • 1996年から海外での宣伝を開始
  • 2013年に1000万人
  • 2016年に2000万人
  • 2020年に4000万人が目標

3.交通事故死者 1万1086人→3532人

  • 1985年にシートベルトを義務化
  • 2002年に飲酒運転の規制強化
  • 1990年代にエアバッグ、衝撃吸収車体
  • 衝突被害軽減ブレーキの新車装着率は、77.8%(2017年)
  • 2018年は、過去最少

4.農業の担い手 324万3000人→145万1000人

  • 1993年の貿易自由化で安い農産物が入ってきた
  • 65歳以上が7割、40代以下は約1割
  • 2012年から研修を受ける人、農業法人を支援する交付金

5.自殺者 2万2436人→2万840人

  • 1998年に3万人台に。バブル崩壊の影響
  • 2003年がピークで、3万4427人
  • アルコール、薬物依存症対策
  • 9年連続減。若い人は2年連続増加

とあります。

 

コメント

確かにこれらの項目は、数字が変化しています。

記事は、淡々と上記の内容を説明しており、総合的なまとめをして、平成30年を振りかえっている訳ではないのですが、この30年間の社会の変化が分かるなと思いました。

 

一つ一つの項目について、変化の原因が記載されています。

無理から並べてみると、

  • 1985年のシートベルト規制強化
  • 1989年のバブル経済と、1991年のバブル崩壊
  • 1993年の貿易自由化
  • 1996年からの海外での日本の宣伝開始
  • 規制緩和で大学数増加
  • 2002年の飲酒運転規制強化

各々の理由を見ると、規制強化や、規制緩和(自由化)が、大きな原因になっています。安全面については規制が強化されており、一方、競争面については規制緩和で競争促進策が取られています。そして、これらは、1990年代に動きがあったようです。

 

特に、訪日外国客数のデータは面白いと思います。

1996年から対策を開始して、非常に順調に推移しているように思います。2013年には、1000万人と、効果が実感できるレベルになっています。国家レベルで対策を打つと、20年程度で効果が出てくるようです。

 

外国人訪日客数については、日本政府観光局のデータがあります。

https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/marketingdata_outbound.pdf

 

2008年後半からのリーマンショックや、2011年の東日本大震災もあり、2009年~2011年までは、訪日外国人数が減っていますが、それ以外は、順調に伸びています。

 

この表では、訪日外国人客と、出国日本人数が比較されています。

  • 1964年(昭和39年)~1967年(昭和42年)までは、「訪日外国人数>出国日本人数」です。
  • 1968年(昭和43年)~2015年(平成27年)までの47年間は、「訪日外国人数<出国日本人数」です。
  • 2016年(平成28年)~は、「訪日外国人数>出国日本人数」です。1995年(平成7年)ぐらいから、出国日本人数は、20年以上横ばいです。今後も伸びはないと思いますので、しばらくは、出国日本人数よりも、訪日外国人数の多い時代が続きそうです。 

そもそも、グローバル化は止められない、大きな流れであり、何もしなくても、訪日外国人客数は伸びる面がありますが、政府の対策は、それを加速しているのだと思います。

 

国家レベルでも、17年も対策を打ち続けると、これだけの効果が出るんだと思いました。そういう意味では、今は、農業や林業なども、対策を色々打っているので、10年も経つと変わるのかもしれません。