Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

新社名・新ロゴ

カルソニックカンセイとマニエッティ・マレリ

2019年5月11日の日経で、自動車部品のカルソニックカンセイと、フィアット・クライスラー・オートモービルズの自動車部品部門のマニエッティ・マレリが、年内に経営統合して、社名をマレリにするという記事がありました。

 

カルソニックカンセイ、「マレリ」に社名統一 :日本経済新聞

 

  • カルソニックカンセイは、7200億円でマニエッティ・マレリの買収を完了
  • 最短6か月で2社の製品ブランドや社名を「マレリ」に統一
  • 単なる部品ではなく、総合システムを提供する
  • カルソニックカンセイは、KKRの傘下で、空調がコックピット製品
  • マニエッティ・マレリは、モーターなどEV向け製品

とあります。

 

コメント

買収したのが、カルソニックカンセイですので、統合会社の社名をカルソニックカンセイにするのが通常ですが、今回は、反対に被買収会社のブランドを採用しています。

こうなると、マレリ側も悪い気はしませんので、一気に経営統合が進むように思います。

さすが、KKRです。カルソニックカンセイの社長も、外国人ですし、変なノスタルジーはなく、組織拡大のための最善策を考えると、自然とこうなるのだと思います。

 

この説明は、カルソニックカンセイニュースリリースに説明がありました。

https://www.calsonickansei.co.jp/news/uploads/190510-1.pdf

  • 世界共通のブランドとして「マレリ(MARELLI)」を採用
  • マリエッティ・マレリは、イノベーションに定評
  • カルソニックカンセイは、製品力や品質の高さといった「モノづくり」に定評
  • 今後は一つのブランドとして競争力を高める
  • 世界中で知られる統一ブランドの構築は、グローバルな影響力を強化するための大切なステップ
  • 新しいブランドは綿密な調査と分析を重ねて選定
  • カルソニックカンセイは、日本およびアジア地域で確固たる地位
  • マニエッティ・マレリは世界中のお客様に高い認知度。ブランド価値も浸透。そのブランド価値を保持
  • マレリのブランドの下で一丸となる。つのブランドと新しいイメージ(※新社名と新ロゴ)で2社が一つになり、共通したアイデンティティで世界をリードする

とあります。

 

新ロゴは、双方のロゴカラーを承継しているようです(図形がカルソニックカンセイの水色で、MARELLIが、マレリの紺色)。また、上向きの二つの矢印に意味を持たせています。

 

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良く考えれていますし、この図形は、重要です。部品事業では、小さい製品に、文字ではなく、簡単な図形商標を刻印することが必要なことが多いので、とりわけ重要です。

商標権の調査をしたわけではないので、ロゴとしての感想だけですが、単なるMでもなく、個性もあり、しかし、ある程度複雑で、非常に良い図形商標だと思います。

 

Wikipediaに、面白い情報が載っていました。

「Magneti Marelli」は、イタリア語では「マニェーティ・マレッリ」だそうです。それが、カルソニックカンセイのリリースでは、「マニエッティ・マレリ」としているそうです。

確かに、イタリア語風に発音するには、日本人やその他の国の人には、難しいのかもしれません。

それと、「g」は発音しないのですね。

マニエッティ・マレリ - Wikipedia

 

ちなみに、カルソニックカンセイは、カルソニックカンセイが一つになった社名のようです。

カルソニックは、もともとは、日本ラヂエーター㈱と云ったそうです。

カルソニックカンセイ - Wikipedia

 

会社はイタリアと日本に事業会社を置くようですが、どの国の法人かは、リリースからは不明です。