Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

海外生活への興味

52%が興味

2019年6月8日の日経に、海外生活に対する17~19歳の男女1000名の意識調査の結果がありました。日本財団の調査のようです。

  • 海外での生活に興味があるのは、52.8%
  • 理由は、行ってみたい国、地域、場所があるから。海外の文化が好きだから、関心があるからなど
  • 学校での英語教育は、47.2%が役に立った
  • どちらともいえないが、32.9%
  • 役に立たなかった、全く役に立たなかったは、合わせて19.9%
  • その理由は、いまだに英語が話せないからなど

などとあります。

 

コメント

日本財団の調査は、下記で見ることができます。「18歳意識調査」というもののようです。毎年テーマが変わっています。今年は、「海外と日本について」というテーマのようです。

 

この調査結果ですが、内閣府の海外留学希望者の調査とセットで考えています。 

nishiny.hatenablog.com

内閣府の調査は、海外留学の希望者の調査で、13歳~29歳であり、違いはあります。

しかし、日本財団の調査から、18歳というピンポイントの人は、海外に関心を持っていることがわかります。

 

17歳~19歳という一番、海外留学に最適な年齢の人は、海外に関心をもっているようです。

 

では、海外留学がなぜ進まないのか?反対に減るのか?となりますが、下記に良くまとまっていました。

 

「日本人学生の内向き志向に関する一考察」一橋大学国際教育センター教授の太田浩さんの、2014年のまとめです。現在でも通用する内容だと思います。

https://www.jasso.go.jp/ryugaku/related/kouryu/2014/__icsFiles/afieldfile/2015/11/18/201407otahiroshi.pdf#search=%27%E5%86%85%E9%96%A3%E5%BA%9C+%E8%8B%A5%E8%80%85+%E7%95%99%E5%AD%A6+%E8%AA%BF%E6%9F%BB%27

 

留学生の減少は、日本の競争力の低下にもつながります。その原因分析ですが、多面的です。

  • 少子化(ただし、同じ少子化の韓国、台湾の留学者数は、日本以上
  • 日本の家庭の可処分所得が下落していること
  • 新卒一括採用の慣習と就職活動時期の前倒し、長期間化
  • 英語のTOEFLに、スピーキング、ライティングが入り、日本人が得意な文法が消えて、得点が取れなくなったこと
  • 留学せずとも、国内でもドクターを取れるようになったこと
  • リスク回避。日本はコンフォートゾーンとの意識
  • アメリカの学費の高騰
  • 留学支援策の遅れ
  • 大学の単位認定の問題
  • 国立大学の留学支援の遅れ

などです。

 

いろいろありますが、一番、重要だなと思ったのは、TOEFL-IBTのテストです。アメリカ留学で求められるレベルは上がっているのに、それに日本人の英語力が、対応できていない。特に、スピーキングがお手上げというのが実際です。

アメリカの上位校で要求されるのが、TOEFL-IBTで95.8点であるのに対し、日本人の平均点は70点で、25点の差があるそうです。

中国、韓国の学生の英語力は、TOEFLの難化に対応しているのに、日本人はできていないとあります。

 

これでは、お金や時間があり、行きたい場合でも、いけません。

日本財団の調査でも、20%ぐらいの人が、日本の英語教育が役に立たなかったとい言っています。この点、中国や韓国では、どのようにして、英語を教えているのだろうかと思います。