Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

アサヒとカルピスをつないだブランド憲法

どんなものか見てみたい

2019年6月28日の日経ビジネス電子版に、アサヒとカルピスをつないだ”ブランド憲法”という記事がありました。

アサヒとカルピスをつないだ“ブランド憲法”:日経ビジネス電子版

 

内容は、

  • カルピスは、親会社が変わる経験
  • 1990年に味の素からの出資。2007年には完全子会社
  • 食品と飲料で製品の特質が異なり、サプライチェーンの共通化などは難しかった
  • 2012年、味の素はアサヒグループホールディングスにカルピスを売却
  • アサヒ社長は、カルピスには、ブランド価値を高め続けてもらいたい
  • カルピスとアサヒは、組織風土に違い
  • 営業部門を別にして、なじませる時間をおいた
  • 2015年。2社で共通化できる強みは何か、議論
  • アサヒ飲料全社方針として、「ブランド価値の向上」を掲げる
  • 各ブランドの守るべき価値を定めた“憲法”を作る
  • ブランド管理委員会が定期的に社員に対して勉強会
  • アサヒ出身者に、カルピスの商品への理解を深めてもらう。カルピス出身者もアサヒ商品を理解してもらう
  • 2016年1月、カルピスとアサヒ飲料経営統合
  • 今では、生産から物流、販売体制まで共通化
  • 一緒になるときに大事なのは互いを認め合う度量
  • アサヒ飲料の“ブランド憲法”も、カルピスのブランド管理基準書を生かす形でつくられた
  • 買われた側を尊重できるかが成否を分ける

コメント

その通りだなあと思います。

現在のアサヒホールディングスは、アサヒビール中心のブランド理念はやめて、"ASAHI Group Philosophy”という形で整理をしており、多様なブランドを包含しやすい仕組みに変化しています。

 

nishiny.hatenablog.com

 

アサヒグループホールディングスには、カルピスだけではなく、もともと、NIKKAもあれは、三ツ矢サンダーまありま。ライセンス事業もあるようですので、多様なブランドがあります。

多様なブランドを受け入れる土壌はあったのだと思います。

 

ただ、カルピスの場合は、生産は、カルピス株式会社がやっているようですが、物流、販売まで共通化している点で、効率化が図れているということになります。

成功したM&Aといって良いのだろうと思います。

 

ブランドを上手く残してもらえるなら、アサヒグループホールディングスの傘下に入りたいという会社も出てくるのではないでしょうか?

 

記事にある、カルピスのブランド管理基準書、あるいは、アサヒ飲料の"ブランド憲法”は、Webで探してみたのですが、見つかりませんでした。

表に出ているは、アサヒグループホールディングスの"ASAHI Group Philosophy”だけです。これは、違うものだと思います。

 

カルピスのブランド管理基準書、アサヒ飲料のブランド憲法は、どんなものか、見たいなという気がします。

 

ブランドや商標の勉強会など、何かの機会に見ることができればなと思います。