そもそもの設計思想
2018年7月18日の朝日新聞に、歴史的なところから説明してくれている、年金制度の考え方の説明がありました。そうなのかと、思う内容です。
- 公的年金は、1889年、ドイツのビスマルクが作った制度
- 医療保険、労働災害保険、公的年金がセット
- 税金で貧しい人を助けるのが「救貧」
- 労働者と雇い主が支払った保険料で、働けなくなったときに生活を支えるのが「防貧」
- 公的年金は、勤労意欲を高め、格差を縮め、中間層を増やし、社会を安定させる歴史的傑作
- 少子高齢化と、低成長で、保険料率の引き上げ、年金水準の抑制へ
- 私的年金とちがい、支払った保険料と受け取れる年金額の倍率が異なるとして、世代間格差の指摘
- しかし、本来は、その時々で生きている人同士の格差を縮め、社会全体で高齢者を養うことが、公的年金の本来の役割
- 世代間格差は受け入れざるを得ないもの
- 厚生年金の基本は、現役世代の給与から天引きした保険料をそのまま高齢者に配るもの
- 民間の保険のように破綻することもない
コメント
私的年金と公的年金の違いを説明した記事です。社会保障は、ビスマルクが生みの親と昔、聞いたような気もします。
年金制度の考え方が良く分かりました。
本来の設計思想は、その時々で生きている人同士の格差を縮めるものと言われれば、そうなのかと思います。
また、今集めた保険料をそのまま分配するものと考えれば、確かに、破綻もしません。
ただし、GPIFの積立金(運用しているもの)だけでも、164兆円もあるので、単年度で分配はしていないことになります。
運用の巧拙も影響しそうです。
2009年度の支給総額(年金総額)が、50兆円とあります。
そうなると、年間の支払金額の3倍が、積み立てられていることになります。
私的年金の場合は、運用によって、増減はあったとしても、掛け金は自分に返ってきますが、公的年金は、自分のためのものではなく、社会のためのものと考えるわけですね。
税金でやっても良いような感じがしますが、当時の判断としては、保険料という形にした方が、良いという判断だったんだろうなと思いました。
税金にすると、戦争のときなどは、給付が無くなる可能性もあり、独立させておいた方がベターだったのかもしれません。
私的年金との性格の違いは、基本的な話ですので、もっと学校教育で説明するなり、宣伝するなりして、理解を求める必要がありそうです。