奈良、北陸などが上位
2019年7月14日の日経に、総務省が全国消費実態調査から割り出した、65歳以上の高齢者世帯の金融資産が、全国平均が2003万円という記事があり、その都道府県のランキングが出ていました。
高齢世帯の金融資産、平均2003万円 奈良・石川が上位 :日本経済新聞
都道府県のランキングは、
- 東京都:2689万円
- 奈良県:2527万円
- 愛知県:2519万円
- 神奈川県:2439万円
- 岡山県:2356万円
- 石川県:2277万円
- 和歌山県:2275万円
- 兵庫県:2239万円
- 香川県:2211万円
- 富山県:2205万円
などとなっています。
大阪府は、21位で、1951万円
沖縄県が、47位で660万円です。
- 東京都は、年収が比較的高い会社員らが、退職金を含めて資産形成している
- 愛知県や神奈川県も同様
- 奈良県や石川県が上位に来ている
- 奈良県は、株式と株式投資信託を保有する世帯の割合が多い
- 戸建てベッドタウンが広がり、富裕層や大手企業に勤務していた団塊世代が移住
- 富山県は、持ち家比率が79%で全国一
- 石川県、富山県、福井県の北陸3県は、共働き世帯の割合が多い
- 全国平均2000万円は、富裕層に引っ張られている数字
- 現在の高齢者は、高度経済成長期に資産を蓄えることができた面がある
コメント
平均値ですが、2000万円を超えているようです。2000万円というと、金融庁の報告書で、老後の蓄えが2000万円必要という報告書があり、話題になっているものです。
人生100年時代、2000万円が不足 金融庁が報告書 :日本経済新聞
総務省の分析では、単純な平均値ですが、現在の高齢者世帯は、2000万円を有していということになります。
もちろん、個人差があり、富裕層が引き上げている面があるので、中央値でみるとかなり違うのだろうと思います。
記事は、老後資金2000万円問題のように、画一的な不足額で測るのではなく、個人差や地域差、世代差をきめ細かく分析する視点が必要とまとめています。
その点は、そうだろうなと思います。
この記事、7月14日ですので、参議院選挙前の記事です。
都道府県別ランキングの形式をとっているので、少し、面白い記事になっていますが、素直に見ると、金融庁の2000万円問題は、実は、現在の高齢者は、平均値ではクリアーしていると、いいたかったのかもしれません。
この調査の対象の高齢者は、65歳の人から90歳超の人までいます。そのすべての人の平均が2003万円ですので、65歳の人で見ると、資産の切り崩しが少ない分、平均値は、2003万円よりも、もっと高いはずです。
そういう意味では、金融庁の2000万円は、それほど、外れた金額ではなかったのかもしれません。
地方の、それも田舎に暮らしている人は、土地も家もあり、食べるものも自給自足しているような面があり、収入とは関係なく、豊かな暮らしをしているような気はします。
金融資産だけでは表せない、生活の豊かさのようなものもあるので、それを評価すると、また違った結果になりそうな感じはします。
個人的には、実家のある奈良が、ランキング2位に入っている点が、一番、興味をもった点です。奈良県は、ピアノの保有比率が全国一位と聞きますので、奈良が高いのは、頷ける結果かもしれません。
それに比べて、大阪が低いなという気がします。大阪府内にも北摂地方などには、ベットタウンがあります。大阪市内の一等地に、富裕層が住むようなタワーマンションができたのは、最近のことなので、もう10年、20年経つと、大阪府の平均値が上るのかもしれません。